アスリートインタビュー

現役アスリートや引退後の選手たちへの独自取材を通じて、競技にかける情熱や努力の裏側、これまでの経験やこれからの目標など、表舞台では語られないリアルな声をお届けします。スポーツに関わるすべての人に勇気と気づきを与えるコンテンツです。

【アスリートインタビュー】砲丸投げ・吉沢 花菜選手の魅力に迫る!

みなさんこんにちは!女子サッカーの大宮 玲央奈です。
今回ご紹介するのは、陸上競技の投てき種目「砲丸投げ」に取り組む吉沢 花菜選手です。重さ4kgの砲丸を、パワーだけでなく技術やスピード、全身の連動で遠くへ飛ばす——「うまく投げられた時は、砲丸が軽くなる」という言葉にまず驚かされました。終始笑いの絶えない和やかな空気の中、吉沢選手の明るさと前向きなパワーに、こちらまで元気をもらえるインタビューになりました。

自己紹介、そして砲丸投げという競技について

ーーーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

砲丸投げをやっています。日本体育大学の4年生です。

ーーー砲丸投げという競技について、あらためて説明をお願いします。

砲丸投げは陸上競技のフィールド部門にあたる種目で、投てき種目(やり投げ、ハンマー投げ、円盤投げ、砲丸投げ)の一つです。重さは高校生から成年女子は4kg、成年男子は7.26kgで、年代によっても変わります。
この重い砲丸を、どれだけ遠くに飛ばせるかを競う競技です。

ーーー男女や年代で重さが変わるのは知らなかったです。7.26kgってお米より重いですね。(笑)

そうなんです。男子は結構重いんですよね。

重い砲丸と日々向き合っている吉沢選手ですが、砲丸投げとの出会いは、実は思いがけないきっかけから生まれたものでした。

きっかけは、まさかの「怪我」から

ーーー砲丸投げを始めたきっかけを教えてください。

小学1年生の頃から陸上をやっていて、走ったり高跳びや幅跳びをしたり、遠投競技(ジャベリックボール)にも取り組んでいました。中学生になると専門を絞らなきゃいけなくなり、走るのが好きだったので短距離を選んだんですが、中学2年生の時に肉離れをしてしまって。そこから試合に出られる種目が砲丸投げしかなくなって、とりあえずエントリーしたんです。

ーーーえ、肉離れしてるのにですか!?

肉離れしてるけど、なんかもう手だけで、ちょっと歩いて投げるみたいな感じだと思っていたので(笑)
とにかく何かの種目には出たくて、遠投競技もやっていたし肩も強かったので、後ろから前にポーンと突き出すように投げたら、その大会で大会新記録で優勝しちゃったんです。それで「結構向いてるんじゃないか」とポテンシャルを感じて、本気でやってみようと思ったのがきっかけです。

ーーーええ、すごい。怪我がまさかのきっかけになったんですね。小学1年生の頃に「走りたい」とご両親にお願いしたと聞いたのですが、小さい頃からずっと運動が好きだったんですか?

もうずっと小学校の時から走ったり、とにかく運動が大好きで、朝休みも昼休みも放課後も、外で鬼ごっこやドッチボールをしていました。

ーーーご両親が陸上競技をやっていたとかでもなく?

でもなくて、自分から「走りたい」と言いました。(笑)

ーーーすごい、もともとアクティブだったんですね!いろんなきっかけが重なって、怪我をしてしまったけど、それでもどうしても試合に出たいという気持ちから始まった砲丸投げ。素敵なストーリーですね。そこからはもうずっと砲丸投げ一本ですか?

高校生の時に円盤投げとやり投げもやっていて、3種目でインターハイに出場しました。
実は砲丸投げの選手には、自分のように元々短距離をやっていたっていう方も多いんです。
ただ最初は走るのが苦手だったり、体格が良くて体重があった方が有利だったりして、「砲丸投げをやるならこの子」というタイプの子が多くて。砲丸投げをやりたくて陸上を始める、という子はなかなかいないんですよね(笑)。

そんな数奇な巡り合わせから始まった砲丸投げに、今ではどっぷりと浸かっているという吉沢選手。その尽きない魅力について、さらに深く聞いてみました。

「砲丸が軽くなる」瞬間の気持ちよさ

ーーー今はもうどっぷり砲丸投げに浸かっていると思いますが、砲丸投げの魅力って何なんでしょう?吉沢選手にとっての魅力と、見ている人にとっての魅力、両方聞いてみたいです。

見ている人からすると、重い砲丸を軽々と飛ばしている様子に「すごい」と感じてもらえると思います。投てき種目の中でも投げ始めから投げ終わりまでが1〜2秒ほどと一番短くて、その一瞬に爆発的なパワーが出るところは見応えがあると思います。

自分にとっての魅力は、高校生の時にやり投げ(600g)や円盤投げ(1kg)もやっていた経験から気づいたことなんですが、砲丸投げの砲丸(4kg)が投げる種目の中では一番重いんです。
手の力だけでは飛ばないんですが、スピードや瞬発力、足の力、全身の連動がうまくはまった時、砲丸がすごく軽くなるんですよ。4kgを持っているはずなのに、1kgくらいを投げているんじゃないかと思うくらい軽く感じられる瞬間があって。それがすべてうまくはまった時の投げ応えが、一番気持ちいいんです。

ーーーすごい、まるでパズルがカチッとはまるみたいですね!そういう瞬間があるからこそ、続けられているんですね。競技をやめたいと思ったことはないんですか?

ないですね。自分の投げ方は、日本選手権で優勝しているような選手や指導者から見ると「砲丸投げ選手とは思えないフォーム」と言われることもあって。もちろん理想の投げ方はあるんですけど、そこがまだ自分の中で表現できていない分、伸び代があると思っています。
限界を感じていないからこそ、やめるのはもったいないなと思っています。

尽きることのない伸び代を追い求める、吉沢選手のポジティブさが伝わってくる答えでした。投げる瞬間はほんの一瞬でも、そこには何年分もの積み重ねが乗っています。団体競技出身の私からすると、結果のすべてが自分に返ってくる個人競技の向き合い方には、いつも学ぶことばかりです。

個人競技として自分と向き合う強さ

ーーー個人競技って、良くも悪くも全部自分に返ってくるじゃないですか。うまくいかない時、スランプの時とかはどうしているんですか?

飛ばないのは技術が正しくないからだと思っているので、どれだけ直せるかを突き詰めています。正しいフォーム、体の使い方一つで投げは変わってくるので。冬は投げ込みをメインにしますが、夏は試合前になるとどれだけ投げが悪くても投げ込みすぎると試合に影響してしまうので、メリハリを持って調整するようにしています。

自分との向き合い方こそ、吉沢選手の強みそのものかもしれません。ここからは、競技面・プライベート面それぞれの魅力についても聞いてみました。

競技面・プライベート面、それぞれの魅力

ーーーこの短い時間お話ししてるだけでも、すごい明るいパワーをもらえてるんですが、競技面とプライベート面、それぞれの強みを聞いてみたいです。まずは競技面から聞かせてください。

自分と向き合うことに対して妥協しないところだと思います。あとは砲丸投げを好きだという気持ちを持てていることも強みだと思います。
指導者の方ともコミュニケーションを積極的に取るようにしていて、分からないことはすぐ聞いたり、自分の考えを伝えて情報共有をしたりすることも大事にしています。

ーーー自分と向き合えるって、結構大きいですよね。そういうのがあると指導者の方もきっと教えたくなりますよね。プライベート面はどうですか?開始からずっと明るいので、とても素敵な雰囲気の方だなと感じています!(笑)

人と話すことが好きで、高校生の時はリーダー的な役割をやることが多かったので、リーダーシップはある方だと思います。自分の軸を持つようにしているので、周りを見渡して気を配ることも得意です。あとは感情表現が豊かで、喜ぶ時はすごく喜んで、悲しむ時はすごく悲しむタイプなんです(笑)

明るさとリーダーシップを併せ持つ吉沢選手が、実際にどんな練習に取り組んでいるのか。現在の活動状況にも迫ってみました。

練習環境と直近の目標

ーーー今の練習について聞かせてください。

練習は週2日休みで、1時間ほど体力系のメニュー、1時間ほど技術練習、1〜3時間ほど砲丸を投げる練習、さらに2時間ほどウェイトトレーニングという流れです。長期休みは9時半から17時頃までしっかり練習しています。

ーーー今は大きな大会に向けて頑張ってるところですか?

そうですね。9月の全日本インカレという大学の全国大会があるんですけど、それが大学生活最後の、一番大きな試合になります。

ーーー目標は?

自己ベストは14m86なので、そこで15mを超えて優勝を狙っていきたいなと思っています。

ーーーその先の、もっと大きな目標はどのあたりを見据えていますか?

日本選手権が一番大きな試合で、社会人になると実業団の大会やグランプリシリーズなどがあります。そういった場で16mを出して優勝することが目標で、そこからは17mに向かって、まずは日本一になりたいと思っています。

ーーー無知で申し訳ないんですが、世界のトップレベルってどのくらいの記録なんでしょうか。

世界だと20m台、21mを超えてくる選手もいます。

ーーーええ、そんなに違うんですね!

そうなんです。砲丸投げは投てき種目の中でも世界との差が大きい種目だと言われていて。国内は先日16mを出した選手がいて、その下に15m台が数人という状況です。アジアで見ても中国などは筋力の面でレベルが高いので、そこにはまだ差を感じますね。

ーーーそしたら、その目標に向けた今の課題は何でしょうか。

体作りですね。細身なので体重を増やしたいところですが、体質的にすぐ肉がつくタイプではないので、人一倍食べてウェイトトレーニングで筋肉に変えていく必要があります。
技術的にも、正しい砲丸投げのフォームをまだ身につけている途中だと感じています。


日本一、そしてその先の世界を見据えて練習に励む吉沢選手ですが、大学生活も残り少なくなってきました。最後に、卒業後の進路や、競技を離れた時の意外な一面についても聞いてみました。

卒業後の進路、そして趣味

ーーー大学4年生ですが、卒業後は?

ちょうど今、実業団としてどう働くのかという話を進めていてます。
競技をしながら働くことになります。

ーーー社会人生活、楽しみですか?

正直なところ、学生が名残惜しいという気持ちが多いですね(笑)

ーーーわかります、戻れないのが辛いところですよね(笑)。ちなみに趣味はありますか?

動物や自然が好きで、自然を見に行ってゆっくりしたり、芝生に寝転んだり、絵を描いたりするのが好きです。写真を撮ってインスタグラムに載せるのも好きですね。

ーーーいいですね!明るくてパワフルな吉沢選手にも、そんな癒される時間があるんですね。本日はありがとうございました!

楽しかったです!ありがとうございました!!

 

あとがき

吉沢選手との対談で一番印象に残ったのは、発せられる言葉にネガティブなものがなかったことです。明るく前向きで、自分の中に一本しっかりとした「軸」を持っているからこそ、話す言葉に説得力があり、聞いていて素直に納得できることばかりでした。ゴールに向かって何をすべきかが明確で、自分自身と向き合える力の高さにも驚かされました。「応援したくなるアスリートだ」と感じたインタビューでした。
9月の全日本インカレでの飛躍、そしてその先の日本一、さらには世界へ。吉沢花菜選手のこれからを、ぜひ一緒に応援していきましょう!

砲丸投げ・吉沢 花菜選手を一緒に応援しよう!

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吉沢 花菜選手プロフィール

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