企業によるスポーツ支援の2つのタイプ

      2016/06/21

企業によるスポーツ支援の2つのタイプ

企業によるスポーツ支援の2つのタイプ

日本のスポーツは企業による支援によって支えられてきました。オリンピックに出場している日本人選手は50%以上が企業に所属しています。戦前から企業は社員の体力作り、福利厚生としてスポーツを支援してきました。それが、1950年代には社内を一体化させるための求心力としてからさせ、70年代には広告・宣伝として活用されるようになりました。それが、1990年代からの不況で撤退が始まり、多くの企業がスポーツ支援から撤退しました。

 

そんな中、現在、企業はスポーツ支援についてどのように考えているかという一例を前回の投稿の「43%の企業がアスリート支援に関心がある」にて日本スポーツ振興センターの民間企業のスポーツ支援の意識調査について紹介をしました。この調査や各企業のスポーツ支援を見ると企業によるスポーツ支援に大きく2つのタイプがあることがわかります。それは、「スポーツ支援を広告宣伝と捉えたビジネス優先型」と「スポーツ支援を広告宣伝としては捉えない社会貢献型」です。では、それぞれのタイプの特長について紹介します。

 

スポーツ支援を広告宣伝と捉えたビジネス優先型

スポーツを支援することを宣伝広告と位置づけ、広告性を追求するタイプです。つまり、テレビ等のマスメディアへの露出や費用対効果をビジネスとして計算して売上(利益)がでるのであれば、スポンサーとなり、売上(利益)が出なくなればスポンサーを撤退するという考え方です。

このタイプの場合には、露出の多いプロ選手や有名選手。また、選手単体ではなくスポーツ大会、試合等スポーツ関連イベントのスポンサーをする傾向にあります。アマチュア選手であっても、オリンピックやワールドカップなどで露出が高くなればスポンサーが集まる傾向にあります。

 

スポーツ支援を広告宣伝としては捉えない社会貢献型

近年は企業は利益を追求するだけではなくCSR(企業の社会的責任)が求められています。CSRとは、企業が社会に対して責任を果たし、社会とともに発展していくための活動です。代表的なものとして環境問題に関する活動、地域発展のための活動などがCSRとしておこなわれています。

スポーツ支援においてもCSRとして、青少年の育成やスポーツ振興を目的としてスポーツへの支援を行うことがあります。また、地域経済への貢献の一環としてスポーツ関連のイベントを支援することもあります。

このタイプの場合には、基本的に社会的に弱い者や支援を必要としている人を支援する傾向にあります。すなわちアマチュア選手や子供スポーツ、障碍者スポーツなどです。

 

企業のスポーツ支援のタイプを見極めながらニーズを把握する

スポンサーに提案、交渉するにあたって企業のスポーツ支援に関するニーズを把握する必要があります。また、一度の提案で終わることはありませんので、一度目の提案でニーズを把握し、修正をしていく必要があります。

 

ビジネスとしてのスポーツ支援も社会貢献としてのスポーツ支援も共通しているの企業のブランディングです。短期的な売上を求める場合にはビジネス優先型になり、長期的な戦略で動いている場合には社会貢献優先型になります。また、企業が扱っている商品、サービスによっても異なってきます。また、完全にどちらかというだけでなく、バランスもあります。ビジネスとして考えるほどの売上は求めていないが、マイナスを出すことなく企業のイメージアップが図れるのであればありがたいという話はよく聞きます。

 

CSR(企業の社会的責任)に関する基礎知識

ここでスポーツ支援から少し離れてCSR(企業の社会的責任)について勉強しておきましょう。

 

近年の環境問題や日本において東日本大震災以降、企業の社会的責任(CSR)が問われています。ある調査において、消費者がどの商品を購入するのかを判断する際に、CSR活動を考慮して購入すると答える人が8割を超えているというデータもあります。(商品購入時に競合商品と比較して価格が同じか、価格が高い場合でもCSR活動のイメージが良い企業の商品を購入するということです。)

 

企業は、事業活動を続けていくにあたり、従業員、顧客、取引先、仕入先、消費者、株主、地域社会、自治体や行政など多様な利害関係者と関わっています。その利害関係者と良好な関係を作っていくためにCSR活動があり、代表的なものとして納税や法令順守から環境問題や社会問題への取り組みなどがあります。活動内容も団体等への寄付や社会問題への啓蒙活動、社員へのボランティアの推進等多岐に渡っています。

 

企業が社会貢献活動に支出する金額は年々拡大を続けており、2014年度 社会貢献活動実績調査結果 - 日本経済団体連合会 による現在はバブル時(1991年)を超えているとあります。また、その中でスポーツに対する投資の割合は、約12%です。今後、東京オリンピックに向けて、この割合は大きくなることが予測されます。また、社会貢献活動を広告宣伝に利用すべきと考える企業の割合は、約6割でブランドイメージ向上などを目的として広告宣伝に利用したいと考えています。一方で、4割の企業は、社会貢献活動の目的を誤認されるとして広告宣伝への利用への否定的です。このように同じ社会貢献活動をしていても、その中ではさらに捉え方が変わってきます。企業のニーズを捉えるにあたって、単にビジネス優先型、社会貢献優先型と捉えるのではなく、できる限り掘り下げて企業のニーズを把握することがスポンサー獲得には重要です。

 

 - スポンサー獲得の基礎知識