スキーを心から愛し楽しむフリーライドスキー選手黒田絢子さんにインタビュー!
みなさん「フリーライドスキー」を聞いたことはありますか?
言葉で説明するよりも、映像で見ていただいた方がわかりやすいと思うので是非こちらをご覧ください。
見ていただいたらお分かりのようにかなりダイナミックな競技ですよね!
今日はこのフリーライドスキーで海外でも活躍されている黒田絢子さんにインタビューを行いました。
自己紹介
ーーー初めまして!
黒田さん:初めまして!
ーーー本日はよろしくお願いします。早速自己紹介からお願いします。
黒田さん:はい!黒田絢子と申します。出身は東京です。スキーは物心つく2歳頃に始め、家族旅行で年に2、3回行っていました。小学校に入ってからは、冬休み・春休みと北海道でスキーキャンプに行き始め、それがスキーにハマったきっかけです。小中と日本の学校に行き、高校はスキーができる環境を求めカナダの高校に進学しました。今は大学院生なのですが、冬場は休学してスキーの練習や大会・遠征に励んでいます。
フリーライドスキーとは?
ーーーフリーライドスキーと聞いたときに「スキー競技の一種だ」ということはわかったのですが、他のスキー競技とどのように違うのでしょうか?
黒田さん:この競技は、スタート地点とゴール地点しか決まっていない競技です。自然の山とその地形、例えば林の中や崖の間などを滑っていく中で、いかにスキーをコントロールしながらスムーズにかつカッコよく滑り降りるかいうことを採点される競技です。中でも滑り降りるラインの取り方とスムースさの配点が高く、経験が一番大切とも言われています。ジュニアカテゴリーの若手から30代半ばのベテランまで幅広い世代が世界中で競い合っています。しかし大会だけでなく「スキーを自由に滑る」ということ自体がフリーライドスキーなんです。ゲレンデを滑ることも、バックカントリースキーと言われる自分の足で登って滑ることも、楽しんで滑ることそのものがフリーライドスキーだと思います。
フリーライドスキーを始めたきっかけ
ーーー冒頭でスキーは2歳頃からすでに始められていた、とのことでしたが、本格的にフリーライドスキーを始めたきっかけはとなるようなことはありましたか?
黒田さん:小学校一年生からミウラドルフィンズというスキースクールに行き始めました。毎年春休みと冬休みに北海道へ向かうようになり、どんどんスキーにはまっていきました。今思えば、そのスクールではフリーライドスキーを、知らない間にコーチから伝えられていました。基礎スキーの検定も受けていたのですが、ミウラドルフィンズのインストラクターであった1人の方に知り合い、本当にその人の滑りがすごくカッコよくて、いつかこの人みたいに滑れるように、そして一緒に滑れるようになりたいと思っていました。実はその人は、フリーライドスキーをずっとやっていた人で、大会にも出場していました。その人と知り合い、フリーライドという言葉を知ったことが今続けているフリーライドスキーという競技を始めたきっかけです。
ーーー冒頭でカナダに行ったとおっしゃっていたのですが、なぜそんな憧れの人が近くにいるのにも関わらずカナダに行こうと思ったのですか?
黒田さん:当時は、日本でフリーライドスキーの大会がまだ開かれていなかったんです。日本で大会が行われるようには、つい2年前ほどのことなんです。そのときの選択肢としては北米かヨーロッパでしたが、英語の勉強も兼ねてカナダに行くことに決めました。
ーーーしかし、高校生から女の子1人で海外に行くというのはご両親から反対はされませんでしたか?
黒田さん:もちろんそんな簡単に行けたわけではなかったです。でも、どうしても行きたい気持ちがあったので、まずは一年間だけカナダの高校に行かせて欲しいことと伝えました。そこが通れば2年目も行かせてくれることもなんとなく想像できたので(笑)とにかく初めの1年目に行かせてもらえるように留学を斡旋しているエージェントのところに行き、話をして資料を集めて両親にプレゼンしました。
ーーー中学生でプレゼンですか?! 行きたいという思いがより伝わってきました。
黒田さん:自分で調べた事なので、もちろんお金もかかることだとわかっていました。今では、こんな突拍子も無い娘の決断を応援してくれた両親に感謝です。
フリーライドスキーの魅力
ーーーそれでは次にフリーライドスキーの魅力について教えてください。
黒田:まず、スキーでいろいろな斜面を滑ることは、楽しくて、そしてエキサイティングなことです。他の競技とは違い、自然のままの地形を自分の思い描くラインで滑るこの競技にはスタートとゴールしか決まっていないので、どうしたらこの自然の中で、自分が一番スムースにかつ大胆に動けるか考えながら滑ることも魅力です。スキー競技というと、決められたコースの中を滑るというイメージが大きいと思いますが、そうでない競技やスキーの仕方もあると知ってもらい、またスキー自体をもっと色んな人に楽しく自由に滑ってもらえたらいいなと思っています。
ーーーカナダが活動拠点のようですが、海外のスキー場と日本のスキー場ではなにか違うんですか?
黒田さん:海外の人たちは皆本当に自由で、履いている板に関係なく好きなところを、ダイナミックに、楽しく自由な滑りをしている人が多いように感じます。コースも見えるところ全部滑ってよいというスキー場が多くて、自分の好きなところが好きなように滑れることが魅力です。
かなりハードな競技に見えますが、怪我とかはされませんでしたか?
ーーー競技を聞いたり冒頭のYouTubeの映像を見ているとかなりダイナミックでリスキーな場所もあるように思いますが、大きな怪我や怖い経験などはありませんでしたか?
黒田さん:どの競技においてもだと思うのですが、何をしててもリスクはあります。転んで吹っ飛ぶことや着地に失敗したりして滑落することはあります。2シーズン前に、一度岩から落ちたことがあって、その次の一年間は山道を上がるとき足が震えました。でも、高校のころからのチームメイトが「大丈夫だよ。絢子ならできるよ」といろいろな場面で励ましてくれたおかげで、時間はかかりましたがトラウマも乗り越えることができました。いろいろな経験はしましたが、選手生命の危機のような怪我はないので、幸せだと思います。雪崩から逃げた…みたいな経験をしている友だちもいますが、実際に私はまだそこまでの斜面に挑むことさえできていません。自分のリミットを見極めながらこれからも挑戦し続けて、長く現役で滑っていきたいと思っています。
今後の目標
ーーーでは最後に今後の目標を教えてください!
黒田さん:今の長期目標はFWT(Freeride World Tour)という大会に出ることです。予選からしっかり勝ちを積み重ねて、本選に出場し、世界のトップスキーヤーと競うことが一つの目標です。また、より多くの人にフリーライドスキーの魅力や楽しさを伝えたいという目標も持っています。
今シーズンから、女性スキーヤーだけで構成されているフィルムプロダクションに携わらせてもらっています。力強い滑りが全面に出ることの多いフリーライドスキーですが、このプロダクションの映像を通して女の子でも色んなことができるんだよ、という発信になればと考えています。また、これからのフリーライドスキー界を担うであろう子供たち向けのスクールにコーチとしても携わる機会を得ることができました。見た目は難しそうだったり、あんなこと怖くて上手くないとできないと思われる方も多いと思います。まずはスキー場で自由に滑る楽しさを知ってもらい、少し荒れたところに挑戦したり、木の間を滑ったりと少しずつ始めることができます。実は、そういった身近なところからスタートすることができる競技だということも伝えていきたいですね!
ーーー今日は貴重なお時間ありがとうございました!夢に向かって頑張ってください!
黒田さん:こちらこそありがとうございました!
アスリートライターから見た黒田さんの魅力
彼女の凄さは「自身の人生プランの組み立て方」です。
幼少期から洋楽や親戚が英語圏に住んでいることがきっかけで、英語に慣れ親しみそこから自身でカナダに行くチャンスを掴み取る姿は、誰でもできることではありません。
しっかりと自分のやりたいことに向き合い結果にフォーカスすると同時にフリーライドスキーを心から楽しんでいる様子が伝わりました。
現在もスキーを海外で行なっており、今後の彼女の活躍に注目です!
黒田さんのことを更に知りたい方はこちらから!
Find-FCの記事↓
黒田さんのインスタ↓
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