【アスリートインタビュー】記録と記憶に残る選手に。アーチェリー居樹佳奈江選手の魅力に迫る！

2022.07.27

みなさんこんにちは！先日までオーストラリアで女子サッカーをしていた大宮玲央奈です。

今回のピックアップアスリートは、アーチェリーの居樹佳奈江選手です。

自己紹介

ーーーまずは自己紹介をお願いします。

初めまして！アーチェリーをしています、居樹佳奈江です。
よろしくお願いします！

ーーー早速ですが、アーチェリーについて教えてください。

アーチェリー競技は、弓で矢を射ち標的上の得点を競う競技です。
リカーブ、コンパウンド、フィールドという3つに分かれていて、みなさんが知っているような一番オーソドックスなものがリカーブになります。
コンパウンドは弓の種類が違って、フィールドは山の中で行うのでまた違ったものになります。

カテゴリーで分けれられることもあるのですが、身体に障害がある方でも同じルールで試合ができることも特徴です。

的までの距離は70M。
3分間で6射×6エンド行って1セットとし、合計2セットの得点で順位が決まります。

また冬季シーズンには、距離が18Mで1分30秒で3射×10エンドを2セット行う室内で行われる競技もあります。
トーナメント戦では、基本的に1分30秒で3射を射ち、得点が高い選手が2ポイント獲得し、6ポイント先取で勝敗が決まります。
5-5になってしまった場合は、20秒で1射を射ってより中心に近い距離の差で順位が決まります。

矢を放つという非日常の感覚

ーーーアーチェリーを始めたきっかけは？

元々は空手をやっていて、スポーツフェスティバルに空手の体験会のイベントがあるということで遊びに行きました。
そしたらたまたま知り合いがアーチェリーの装備をつけたまま通りかかったので、興味本位でついて行くとアーチェリーの体験ブースがありました。
そこで初めてアーチェリーを体験し、矢を放つという非日常的な感覚に夢中になったことがきっかけです。

ーーーそのままアーチェリーに魅了されたんですか？

そうですね。（笑）
ただやっぱり空手もやりたかったので二足の草鞋でやっていました。

正確には水泳、ピアノ、アマチュアの人形劇もやっていたので二足以上だったのですが、、、（笑）

ーーー佳奈江さんが思うアーチェリーの魅力はどんなところでしょうか。

年齢や男女分け隔てなくみんなでできるところがアーチェリーの魅力の一つです。
どんな過程を辿ったとしても最終的に70m先の的に当てれさえばいいので、実際に大会でも男女の差はあまりありません。

手元の数ミリの違いが70m先だととても大きな違いになります。
そのためいかにいつも通りいられるかという精神面の安定さというところも面白い部分だと思います。

アーチェリー一色の生活

ーーー現在の活動状況を教えてください。

今は近畿大学に所属していて大学のアーチェリー場を拠点にして活動しています。
朝の9時から14時までが正規練習、それ以降は予定がなければ思う存分自主練習をしています。

一本下駄を使った自主トレーニングしたり、メンタルトレーナーの方にコーチングしていただいたりもしています。
オフはケアを詰め込むのでアーチェリー一色の生活をしています！

ーーーシーズンオフはあるのでしょうか？

アーチェリーはオフシーズンが基本的にはない競技なのでずっと活動しています。
3月末〜11月頭までは70mのアウトドア、11月末〜3月頭までは18mのインドアになります。
大学生だけ50m＋30mという試合もあったり今はシーズン真っ只中なので毎週試合があります。

ーーー大会情報をぜひ知りたいです！

今は国体予選も行われていて、私は岡山代表として出場するために上位3名に入れるように戦っています。
5、6、7月の頭の予選で決まります。

また6月からは王座決定戦という大学の団体1位を決める大会も始まります。
個人ではなく団体というところも楽しみです！

記憶に残る選手に

ーーー今年の目標を教えてください。

今年の目標は先ほども伝えた6月からの王座決定戦優勝です。
昨年は男女でアベック優勝しているのですがたくさん助けてもらったので、今年は自分がチームを引っ張って2連覇を目指したいです。

また10月中旬には全日本選手権があるので、そこで7位以上を目指しています。
11月頭にはナショナルチームの選考会もあるので昨年同様ナショナルチームに入れるように頑張りたいです！

ーーー目標達成に向けた課題はありますか？

最初の6本でうまく試合に入れるようにすることです。
アーチェリーはメンタルもとても大事な要素なので高校生の時からパーソナルでメンタルコーチをつけてトレーニングしています。
以前はほとんど毎試合泣いていたのですが、今では本当に精神的に安定しました。
うまくいかない時どうやって対処するのか？その方法を自分は知っていると思えることが大きいですね。

ーーー競技者としての理想はありますか？

あります！
最終的には記録に残るのはもちろんのこと、記憶に残る選手になりたいです。
記録を残す選手はたくさんいると思うのですが、時間の経過とともにどんどん忘れられてしまうのは少し寂しいので、「あぁ、こんな選手いたな！」と思ってもらえる選手になりたいです。
そのためにはプレーだけでなく、立ち振る舞いや人間性のところもすごく大切だと考えています。

居樹選手の素顔

ーーー毎日アーチェリー一色な佳奈江さんのプライベートが気になります！（笑）

私は3つ子なのですが、兄弟からはいつも良い刺激をもらっています。

プライベートな部分だと、神社が好きなのでオフの時間のある日に御朱印集めをしています。多分30箇所くらい行ったと思います。

ーーー濃いエピソードが！一つずつ消化させてください（笑）
まずは3つ子。私、初めて3つ子に出会いました！！

そうだったんですね！
生まれて1週間は保育器に入っていたみたいです。
私は末っ子なのですが、三卵性なので顔も性格もバラバラです。（笑）

私はアマチュア無線第三級、第四級と2つ国家資格を持っているのですが、兄弟3人とも国家資格は2つ以上持っているんです。
小さい時から友達の家に遊びに行かなくても常に家に遊び相手はいましたし、昔から今でもずっと兄弟でお互いを刺激し合って高め合えていて大切な存在です。

ーーー神社の御朱印集めがご趣味なんですか？

そうなんです。きっかけは、高校生の時にうつ病のような感じになってしまって「なんでも良いから助けてくれ」と思って行ったことでした。
そんな中コロナ禍も重なり外出がしにくくなった時に、散歩なら良いかなと散歩感覚で参拝していました。

ーーーオフの過ごし方はいろんな意味でやはり大切ですよね。

そうですね、そう思います。
私自身、世界大会で結果を出さなきゃというプレッシャーで自分を追い詰めてしまっていました。
今こうしてまた復帰できているのはアーチェリーを続けたいから復帰したいという気持ちの他にも、友達や家族にたくさん支えられてたことが大きかったです。
この経験を機に自分でも簡単なカウンセラーの資格も取得しましたし、オンとオフを作る大切さにも気づきました。

スポーツとメンタルはとても密接に繋がっているので、自分はもちろんですがもし困っていたり悩んでいる人がいたら助けたいなという気持ちも大きいです。

あとがき

うつ病のような状態から再起奮闘し日本で活躍している居樹選手の心は、強さと温かさを兼ね備えている大きなものでした。
また記録だけでなく記憶に残る選手になるという根源をそこから少し垣間見たような気がしました。
兄弟3人でお互いを高め合って常に笑顔で取材を受けてくれていた彼女からは芯の強さ感じられて、魅力に引き込まれました。
今後の彼女の活躍に注目です！

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