【アスリートインタビュー】プロランナーの田中飛鳥選手の魅力に迫る
こんにちは、バーティカルランナー、階段坊主こと矢島昭輝です。
本日のアスリートインタビューはプロランナーの田中飛鳥選手です。
自己紹介~九州の階段レース『白龍走』では毎回トップ3入り!?~
ーーーはじめまして。よろしくお願い致します。まず自己紹介をお願いします。
はじめまして、福岡県出身の田中飛鳥です。プロランナーとしてマラソンをしています。
大学を卒業してからは、実業団選手として富士通や西鉄で走り、その後一度市民ランナーになりました。市民ランナー時代に自己ベストであるマラソン2時間10分13秒を達成し、現在はプロランナーとしてパリオリンピックを目指して活動中です。競技の主な自己記録は、5000m14分08秒、10000m28分40秒、フルマラソン2時間10分13秒などです。
―――階段レースにも何度か出場していると伺いました。
そうですね、同じ九州の熊本で開催されている3333段の階段を駆け上がる「白龍走」という大会に3回出場しています。2019年の大会は26分54秒でエキスパート部門優勝、今年の2022年大会は27分56秒でエキスパート部門3位でした。
今回は前回大会より1分タイムは落ちてしまいましたが、色々と学びのあるレースでした。優勝者の階段王と呼ばれている渡辺良治さんとお話しすることも出来、やはり競技で頭一つ飛びぬけている人は考えや練習に対する姿勢が参考になりました。私も競技は違えど、ランニングやマラソンの方面でもっと飛びぬけていこうと思います。
―――階段レースにもポテンシャルを感じるところですが今後は階段も並行して続けていく感じでしょうか?
いえ、あくまでマラソン一本です。階段レースでも上位は取り続けていきたいですが、「日常とは少し違ったイベントの一つ」という立ち位置で楽しんでいくつもりです。
白龍走は九州内のレースで身近ですし、神社仏閣の階段を走るインパクトは充分すぎるほどなので、多くのランニング仲間やYOUTUBE仲間が交流できるいい機会となっています。
―――白龍走、私も出場したいと思っている大会なので、次回はバトルですね。
学生時代は陸上に専念~箱根駅伝には2回出走~
階段レースにも意外なほどポテンシャルを秘めていた田中飛鳥選手。学生時代の事も深堀したいと思います。
―――学生時代のお話を伺ってもいいでしょうか。
大学は東海大学に進学し、寮生活にて陸上に明け暮れていました。中学、高校と練習を積み重ねてきたこともあり、日本インカレ、全日本大学駅伝、箱根駅伝に出場することが出来ました。良き仲間や監督に恵まれたことは本当に感謝です。
―――なぜ陸上に興味を持ったのでしょうか。
小学生の時から水泳やバスケ、ソフトボールなど色々とスポーツをやっており、小学校の持久走では毎回上位を取るほど運動好きでした。
当時からマラソンや箱根駅伝のTVをよく見ていて、ランナーたちが憧れの対象となっていたのは間違いありません。ただ、今でこそプロランナーとして生きていくことを選びましたが、子どもの時はまさかこのレベルまで自分がやりこむとは思っていませんでした。
―――では陸上は中学に入ってから始めたんですね。
そうですね。全国大会に出場経験もある日の里中学の陸上部に入部して、私の陸上人生が始まりました。多くのご指導のお陰で、中学3年生の時に全国中学駅伝でチームで優勝、私は5区を走らせて頂き区間賞を頂きました。
―――輝かしいですね!中学から大学を通し、順風満帆のように見えますが何か課題はありましたか。
『個人でトップが取れない』という課題が常にありました。チームで全国制覇をすることは出来たのですが、個人の力が伸ばしきれていないという自覚がありました。。
数々の実業団を渡り歩く~怪我と向き合う日々~
大学卒業後の大きな課題は『怪我』でした。
富士通、西鉄と強豪実業団に所属させて頂きましたが、良い練習が出来た半面、故障が多かったことも事実でした。そのため、一度市民ランナーとして走る事にしたんです。実業団で活動したのは合計5年間です
自分の身体と相談をしながら練習方法やケアを見直し、市民ランナーとして練習を始めたところ2017年防府読売マラソンでは2時間12分17秒、2018年東京マラソンでは2時間10分13秒と、自己記録を連続で更新することができました。
マラソンでの活躍もあり、ご縁があって2018年にひらまつ病院に所属しましたが、やはり実業団ではメインが駅伝になるので、2021年5月からプロランナーとしてマラソン一本に絞っているのが現状になります。
―――数々の怪我や挫折を乗り越えて今があるんですね。
そうですね。しかし、多くの怪我や挫折があったからこそ経験できたことも沢山あるので後悔はしていません。この経験があるからこそ、伸び悩んでいる子どもたちに心の底から寄り添う事が出来るし、色んな方々を勇気付ける事が出来ると思っています。
市民ランナーとして単身プロの道を志す~仲間が欲しい~
―――現在はプロランナーとして活動されているという事ですが、どういった生活を送っているのでしょうか。
ランニング講習費やイベント出演などを積極的に行っています。マラソンイベントですと最近では第40回、41回大阪国際女子マラソンのペースメーカーとしても声を掛けて頂きました。ただ、やはりそれだけで生活をしていくのは厳しく練習の空き時間でバイトをするなどして繋いでいます。
また、『RUNで、生活を幸せに』をテーマにチャンネルを開設し、普段の練習方法やケア、レースの報告などをしています。
―――YOUTUBEチャンネル拝見しました。中には2万回再生に近いものや他の有名ランナーとコラボするようなものもあり、今後の投稿が私も楽しみです。
ありがとうございます。YOUTUBE活動は今後も更に力を入れていきたいです。
タイムの伸び悩みや怪我、数々の実業団の行き来という多くの挫折を乗り越えてきたプロランナーとして私にしか伝える事が出来ないことが沢山あるかと思っています。
―――確かにこれだけ多くの挫折を経験しているランナーはいないかもしれませんね。
多くの人に勇気を与えてください。
現在の活動と将来の目標~2024年パリオリンピック~
―――現在の目標を教えて下さい。
目標は2024年のパリオリンピックに出場する事です。
今のマラソンベストタイムは2時間10分13秒ですが、今シーズンには2時間8分51秒を最低でも出さなければいけません。今年の12月には福岡国際マラソンがあるのでそこでも2時間8分51秒を目指していきます。
目標達成にはまだまだ克服しなければいけない課題は沢山あります。プロランナーという立場だからこそ時間的にも行動的にも出来る事が多くあります。私の活動を通じて道は一つではないということを多くの人々に示す事が出来ればと思います。
―――克服する課題というのは何があるでしょうか。
競技の面ですと走力を上げることや怪我をしないトレーニングやケアに気を付けるということなどが挙げられます。競技面以外には普段の練習相手やマネージャーの確保になります。現状基本自分一人でトレーニングを行い、講習会やイベントなどのやり取り、合宿の手配などをしているので正直負担は結構大きいです。自分が手を掛けている部分を誰かに補ってもらえれば今以上にトレーニングの質も上がりますし、競技力の向上につながると思います。
2024年のパリオリンピック出場を目標に、一緒に活動をしてくれる人材や応援をしてくださる企業様を集いたいです。九州はもちろん、全国の企業様にご協力頂けたらと思います。
よろしくお願いします。
伝えていきたいこと~子どもたちに明るい未来を見せたい~
―――田中さんが競技を通して伝えていきたいことは何かあるでしょうか。
私が伝えていきたいことは「自分が好きなことは愚直にやり続けろ」というです。
たとえ努力と結果が結びつかなくても、好きなら続けろ。
誰かに批判をされても、好きなら続けろ。
怪我をして色々と回り道をすることになっても、好きなら続けろ。
私自身、様々な挫折を経験してきました。大学時代も怪我によって丸1年練習から遠のいていた時もありますし、実業団に所属してからも戦力外通告を受けてきました。
―――戦力外通告というのは精神的に辛いものですね。
そうですね。普通の人なら実業団から契約を1回切られたら、それで競技をやめてしまう人がほとんどだと思います。それでも私は自分の情熱を頼りに競技を続けてきました。その根底にある想いは、「陸上が好き」「マラソンがしたい」というものです。
タイムが伸び悩む人たち、怪我で悩む人たち。ただ一生懸命に走るだけが練習ではありません。体調によってトレーニング方法を見つめ直す必要もありますし、ケアも大事。自分を取り巻く環境も大事です。
今後の私にもプロランナーとして大きな壁は沢山あることと思います。しかし、「マラソンがしたい」という気持ちを第一に、どんな壁にも負けずにパリオリンピックを目指していきます。是非応援下さい!
田中飛鳥選手の魅力~周りをポジティブにさせる漢気溢れるお人柄~
田中飛鳥選手のように何度怪我や挫折を経験しても、自分の好きな事を続けられる人間は単純にとても格好いいと思いました。私も是非多くの人に「諦めない事の大切さ」が伝わっていくことを願うところです。怪我を乗り越えるマインドの作り方、そもそも怪我をしないトレーニング方法、ケア方法など田中選手から学ぶことは沢山ありそうです。
田中選手がプロランナーとして今後どのようにマラソン活動をされていくのか、皆さん気になるところではないでしょうか。これからの田中飛鳥選手の動向に注目です!!
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田中飛鳥選手プロフィール
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