【アスリートインタビュー】フィールドホッケー・インドアホッケー山下彰子さんの魅力に迫る!

みなさんこんにちは!女子サッカーをしている大宮玲央奈です。

今回のアスリートインタビューは、フィールドホッケーとインドアホッケーの二刀流で活躍している山下彰子さんです!

自己紹介

ーーーまずは自己紹介をお願いします。

フィールドホッケーの選手の山下彰子です。
実は31歳までコカ・コーラでプレーをして、4年前に一度引退をして、その後は指導者やホッケーの普及活動に4年間携わっていました。
今年からインドアホッケーが日本でも導入されて、日本代表が発足されたことがきっかけで、インドアホッケーの日本代表を目指そうと競技復帰しました。

ーーー競技復帰だけでなく、日本代表を目指すモチベーションがすごいです!

インドアホッケーで目指した日本代表にはなって、それと同時にアウトドアのホッケー(フィールドホッケー)も並行して競技復帰しようということで、現在は東京ヴェルディに所属しています。

ーーー引退後やっていた指導者の道は一度お休みして、現役復帰という形なのでしょうか?

指導者の道はまだまだ続けながら、現役もやっています。
なので今は、ホッケーに関わる分野でいろいろなことをしています。
東京ヴェルディにいながらも、選手もやっていますし、コーチも兼任しています。
また、日本ホッケー協会の普及活動に携わっているので、全国的にいろんな子供たちを対象に指導するという活動もしています。

ーーーホッケー協会としての普及活動・指導者としての教育・選手としての競技力向上、全部担ってますね!

そうですね、ほぼ全部ですね!(笑)

東京ヴェルディのサポーター

ーーー東京ヴェルディ所属とのことですが、実は女子サッカーチームもあって、とても強いチームなんです!

そうですよね!ビーチサッカーやセパタクローなど結構いろいろなスポーツであるみたいです。

ーーー違うスポーツでの横の繋がりはあったりするんですか?

あるみたいなのですが、私は入ったばかりでまだそこまで経験してないんです。

ーーーそういった繋がりがあると、きっとすごい良いですよね!

先日、ホームの試合の時に、サッカー男子の応援団が試合に来てくれたんです。
その時に応援歌だったりコールをしてくれました。
ホッケーってあまりそういうことをやっているチームがなくて、すごく目立って、ホーム感があってとてもいい雰囲気でした。

ーーー選手同士だけでなく、サポーターたちがチームを通してスポーツを跨いでくれるのは本当に素晴らしいですね!声援って、選手のモチベーションに繋がりますよね。

一体感というか、一緒に頑張る存在という感じがしていいですよね。

インドアホッケーとフィールドホッケー

ーーーインドアホッケー、フィールドホッケーの種目の説明をよろしくお願いします。

フィールドホッケーは、サッカーのコートよりも一回り小さいコートで、スティックとボールを使う11対11で行う競技です。ルールもサッカーに似ていて、ボールを奪い合って、より多く点を取ったチームの勝ちです。
特殊なのが、ゴールの前にペナルティサークルという半円のエリアがあるのですが、その中に入らないとシュートが認められません。

インドアホッケーはフィールドホッケーが11対11なのに対して、6対6で体育館など室内で行います。
ルールはこちらもペナルティサークルの半円から打ったシュートが認められるというのは同じです。
ただ、ゴールラインはあるものの、サイドラインが板で仕切られて跳ね返って来るようなルールになっているので、ボールが外に出てプレーが切れるということがありません。なので結構スピーディな試合展開になります。

あとは、フィールドホッケーはボールを少し浮かしても大丈夫なのですが、インドアホッケーは少しでも浮かしたら反則です。

ーーー道具もフィールドホッケーとインドアホッケーで違うんでしょうか?

スティックもフィールドホッケー用のものは少し太くて、インドア用の方が薄いです。
ボールもインドア用の方が多少軽かったりと、ちょっとした違いはあります。

ーーー芝生と体育館の床では、全然違いますよね。

全然違いますね。インドアホッケーはめちゃくちゃ速いです。

ーーー芝生だと絶対にボールスピード落ちますもんね。

芝生といっても、天然の芝生ではなくて硬くて短い人工芝です。
乾いてしまうと滑りが悪くなりますし、摩擦で怪我をするリスクも上がるので、水を撒くんですね。
それでボールのスピードを上げているのですが、それでもインドアとは全然違います。

始めたきっかけと、ホッケー仲間の存在

ーーーホッケーを始めたきっかけは、ホッケータウンと呼ばれるフィールドホッケーが盛んな地域で生まれたこととお聞きしました。

島根県の奥出雲町なのですが、ホッケー界で流行らそうと今みんなで頑張っていて(笑)
前はホッケーの町とか言われていたんですけど、ホッケータウンの方がかっこいいですよね!(笑)

ーーー小さいときからホッケーが身近にあったんですね。

小学校5年生の10歳の時からホッケーを始めてというか、、
幼馴染がやっていて、だからやってみたらスティックとボールもって打ってみたらちょー楽しい!となって気づいたら始めてました。

ーーーちなみに、その幼馴染の方はまだ現役ですか?

もうやってないですね。(笑)
みんなやめていって自分だけ残ってます(笑)

ーーー私も同じ感じです、、(笑)そのスポーツをやっている人が身近にいると始めやすいですよね。

田舎の町なんですけど、小・中・高とホッケー部があったんです。
ホッケータウンと謳っているので、高校もみんなにホッケーを続けてもらいたくて、校長先生が野球部を作らず、サッカー部もあるんですけどコートも少しだけみたいな。
ホッケー部だけドーンと人工芝で。(笑)
その時の校長先生の時から、学校の方針みたいな感じでずっと歴代そういう感じです。

ーーーエリートホッケースクールのイメージが出来上がりました。(笑)

本当にそんな感じです(笑)
たまたま国体があったことも大きな要因だったと思いますね。

ーーーそしたら、始めたきっかけなんて本当になくて、気づけばそこにあったんですね!

きっかけや環境があってもやらない子もいると思うので、根本的には、ボールをスティックで打つ感覚だったり、あとはホッケーでたくさん友達ができることがうれしくてやっていたのもありますね。

ーーーホッケーのコミュニティが好きだったんですね!そうでないとこんなに続かないですもんね!

その通りだと思います。
自分のためにやるのはもちろんなんですが、私は誰かとやるのが一番好きというか。
チームスポーツだからいいんですよね。

子供たちの未来にいい影響を与えたい

ーーー現在とこれまでの活動状況を教えてください。

基本的に平日の火・水・木曜日は代々木にあるホッケーショップで働いていて、土日は6月から日本ホッケー協会の普及活動が全国的にあるので、いろいろな地方に行ったりします。
月曜日は日本ホッケー協会の事務局が都内のスポーツスクエアにあるので、そこで事務的な仕事をしています。
何がメインの仕事なのか自分でもわかってないです(笑)

ーーー結構忙しくされてますが、練習をする時間はあるんでしょうか?

練習は木曜の夜と土日です。
ただ、6月に入ると土日の練習はいけるときに行く形になりますね。

ーーーそうなるとコンディション維持も大変ですね。

めちゃくちゃ難しいです。
ただ東京ヴェルディとしては、働きながらスポーツも両立していく女性アスリートというところを掲げているので、どこかの実業団のように週6で練習があるというようなわけではないのですが、逆にそれが今の自分に合っているなと思います。

指導者もやりながらなので、なかなか自分の体と向き合える時間が少ないので、その合間を縫って自分の体と向き合う時間を作るっていうのは大変だなとは思います。
でも今しかできないことだと考えたら、これがベストなのかなと思っています。

ーーー時間のない中で、有効に活用したいと。

時間がなさそうに聞こえたかと思いますが、実際時間はあるんです。
何を優先的に動くかをはっきりさせればいいんです。

私の中では、「選手・コーチ」よりも「ホッケーの普及」がやっぱり今は一番なので、普及に関する企画だったりをマネジメントして行くのがすごい楽しいです。
選手というより、子供たちの未来にいい影響を与えたいという思いが強いです。

目指すはチーム初のファイナル進出

ーーーリーグ戦が開幕したとお聞きしました。

4月22・23日にホッケーの日本リーグが開幕し、両日とも勝ちました。
5月の27・28に岐阜で日本リーグがあります。(0-2で惜しくも敗戦)

ーーー試合は月1回くらいなんですか?

そうですね。月1くらいで全国を回ります。

ーーーリーグ戦の目標は?、、、、優勝と言ってもらおうと誘ってるみたいになってしまってますが。(笑)

優勝!とは言えないですね。(笑)

ーーー(二人とも爆笑)芯がある方でよかったです!!(笑)

(笑)

というのも、昨年のリーグ戦は私が以前所属していたコカ・コーラが一番強くて、東京ヴェルディは10チーム中9位でした。
今年の東京ヴェルディは、私も含めていろいろなところから新人が結構入りました。
能力の高い選手も増えたので、ベスト4を目指しています。
日本リーグの仕組み的に、1回10チームで総当たりをして、そのあと上位4チームがファイナルシリーズに進出します。
なのでまずはそこにあがりましょうという目標を掲げています。

そのためには勝ち点15を取りたくて、5勝はしようと。

ーーー開幕から2勝しましたもんね!

そうなんです。なのでこのまま頑張りたいです!
大学生相手にも勝つのが難しかったりするのですが、着実に、確実に勝てるようにしたいですね。

ーーー勝っていくことで、チームの雰囲気も上がったり、自信にもなりますもんね。

去年までは全然勝ち試合がなかったみたいで、1回も勝ててなかったぽくて、東京ヴェルディのホッケーチームって結成4年目で日本リーグも参戦3年目ですごい若いチームなんです。
だからその成績も理解はできるのですが、可能性がすごくあるチームなので勝ちたいですね。

ーーー若い選手や若いチームには、彰子さんのような経験豊富なベテランの存在が、プレー面でも競技外でも、とても重要ですよね。

すごい良いこと言ってくれますね(笑)
ただ正直、自分もこの立場がいいんだろうなと思っています。私にはもう若々しいプレーはできないですし、ただ経験値はあるので、自分の発する言葉で何かいい影響を与えられたらいいなと思います。
私の小さい時と今の時代って全然違いますし、選手と指導者という特殊な立場なので、言葉選びや伝え方はすごい気を遣っています。

ホッケー人生の大きな目標

ーーー普及が今の一番の目標だと思いますが、ほかの目標もあったりしますか?

ホッケー人生の大きな目標は、ホッケーで稼げるようになりたいというはありますね。
その枝分かれとしてホッケーの普及活動があったり、選手があったりしてる感じです。
ただ、普及活動が今の自分の生活の中で大きなパーセンテージを占めていて、まずはホッケーをたくさんの人に知ってもらいたいという思いがあります。

ーーー普及に対しての熱い想いが伝わっています。

ホッケーは2030年にワールドカップを日本で開催したいという日本ホッケー協会としての目標があって、その7年後に向けて少しでもホッケーを知っている人を増やしたい気持ちが一番です。
今からコツコツやっていかないとですね。

ーーーサッカーと競技性も似ていますし、何か一緒に出来ることがあるかなと思います。

サッカーもそうですし、いろんな競技とできることをやりたいです。
他の競技の普及活動もどんなことをしているのか知りたいですね。

ーーー話が前後しますが、ホッケーで稼げるようになるというのはプロ選手としてという意味ですか?

これから指導者も目指したいので、極端に言えば「山下コーチングアカデミー」を立ち上げて自分で稼いでいくというようなイメージです。少しビジネス的な面になりますが。
お金回りってとても難しいんですけどね。

ーーーホッケーに関わる人たちの人材価値を高めるための壮大な目標ですね!

私の価値をたくさんの人が求めて、たくさんの人に提供できるところで稼げるようになりたいですね。
ホッケー界として、ホッケーの指導者に対してのコストが全然少ないので、そこに対しての仕組み作りもしたいという思いもあります。
自分も、そこに関わっている人もみんなが稼げたらいいですよね。

彰子さんの強みと、ポジション特性?!

ーーー彰子さんの強みを探っていきたいと思います。ご自身で思う強みを教えてください。

プレーヤーとしての強みは、私のポジションがFW(フォワード)という点取り屋をやっているので、ゴール前でのシチュエーションとかゴールの近くで力を発揮できるところが自分の魅力だし、そういった面でチームに貢献したいと思っています。

ーーーとても個人的な意見で恐縮なのですが、、、ポジションによって人柄がすごい出ると思っていて、ポジションがFWと聞いてすごく納得してしまいました(笑)

え!!どんなところが出てましたか?(笑)

ーーーこれまで普及活動をしている人ともたくさん話してきたのですが、取り組み方がアグレッシブというか。考え方が挑戦を好んでやっているというか。

たしかにそうかもしれないです(笑)
ポジションにまつわる余談があって、旦那はDF(ディフェンス・守備)なんですよ。
それこそ家の中での家庭生活におけるポジション特性みたいなことを言いだして。
私が掃除するときってものを大体まとめてスペースを空けて整頓するんですけど、旦那はそのできたスペースに新しく物を置きだすんです。スペース埋めてくるんですよ!(笑)
それで私がここ開けておいたのに物置かないでよというと、これがディフェンスの特性ですよって言ってきたことがありました(笑)

ーーーそれはおもしろすぎます!!!ディフェンダーは日常生活からスペースに対しての恐れがあるんですね!(笑)

そういう訳の分からない会話をしたことを思い出しました(笑)

ーーー話を戻しまして、プライベート面での魅力も知れたらなと思います。

やりたいことにはまっすぐ突き進みますね。
例えば友達とカフェ行きたいっていうときとかでも、カフェのためにしっかりリサーチしてカフェに行ったりしますし、それが仕事においてもやりたいことが決まったら考えるのが好きですし。

やりたいと思ったらやりたいことをやるって感じですかね!

旦那さんとの素敵な関係性

ーーー毎日がホッケー一色な印象の彰子さんですが、趣味はありますか?

なんでかはわからないんですが、料理がめっちゃ好きなんですよね。
バリバリ現役の時は食べるものにすごいこだわっていました。
アスリートフードマイスターという資格もとりました。
旦那がそういう仕事をしていた影響もあります。

ーーー趣味でもあり、競技にもいい影響で繋がっているのが素晴らしいです。

昨年まで富山県に住んでいて、神奈川県に引っ越してきて、キッチンがとても狭くてモチベーションが下がってしまっているという現状があります(笑)

ーーーわかります!キッチン環境大事ですよね!!!

切った物を置くスペースだったり、それが全然足りていないです。
都内近くだとどうしてもね、、
趣味はそれくらいですかね。

ーーー旦那さんと同じ競技ということですが、お互いに競技の話をしたりするんですか?

お互いの改善とかはそこまで言わないですね。
興味ある事が結構話したりします。マイナス的なところではなくて、ポジティブな意見交換が多いです。

お互い同じ競技ではあるものの、チームも違うし、旦那も指導者をしているんですが指導環境も違うので、現場にしかわからないことの方が多いので。
どんなことをやってどういうことを取り入れてるのかとかの共有はよくしますね。

ーーーここまで似たことをやっている夫婦をあまり見たことがないです!とても素敵な関係ですね!

そうですよね、あんまりいないと思います(笑)
私たちの中でもうちらって何を目指してるんだろうってなるときがあります(笑)

ーー本当に良い夫婦像でほっこりします!これからも素敵なお二人を応援させてください!今回はありがとうございました!!

あとがき

これまでの取材で、一番笑った取材となりました。
そんな楽しい取材の中にも、彰子さんの普及に対する熱い想いはずっと伝わってきていて、また彼女の経験値からくる落ち着きも相まって芯の強さを感じました。
4月から開幕している日本リーグでのベスト4という目標と、2030年のワールドカップ日本招致という目標をきっと成功できると信じていますし、応援したいです。
日本のホッケー界を大きく動かしている、山下彰子選手の今後の活動に注目です!

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山下 彰子プロフィール

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