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【デフアスリート】2度目のケニア単身遠征を終えたマラソン・中野洸介選手の活動報告レポート

聴覚障害のある人たちのスポーツの国際大会「デフリンピック」東京開催まであと1年。

「自国開催で金メダル」という目標を掲げ、ケニアでの強化合宿を終えた中野 洸介選手から活動報告レポートが届きましたので、ご紹介をさせていただきます。

デフリンピックとは?

デフリンピックは、4年に1度、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会であり、国際ろう者スポーツ委員会が主催する障害者スポーツにおける最初の国際競技大会である。夏季大会と冬季大会があり、夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアにおいて始まった。
日本での開催は初となり、2025年の11月15日から26日までの12日間で、世界のおよそ80の国と地域から5000人から6000人ほどの選手団の参加を見込んでいる。

デフリンピックマラソン代表候補・中野洸介選手について

埼玉出身。高校から本格的に陸上競技を始めるも、ストイックな性格によりオーバーワークによる故障を経験する。
高校卒業後はフルマラソンを専門としながら10000m、5000mにも挑戦しスピードを磨く。
4年に1度開催されるデフリンピック(聴覚障がい者のオリンピック)にて、男子フルマラソン初の優勝というタイトル獲得に向け、日々の練習を積み重ねていたが、2022年ブラジル開催のデフリンピックでは、現地での新型コロナ陽性者増加に伴うマラソン出場辞退という悔しい結果であった。

現在は2025年に日本で初開催されるデフリンピックで優勝という目標を掲げ、これまでにケニア遠征を2度行うなど、金メダル獲得に向け日々トレーニングを行っている。

中野洸介選手プロフィール

中野洸介選手からのレポート

ケニアでの暮らし

2024年7月21日〜10月中旬までの約3ヶ月間、2回目のケニア単身遠征を、無事終えたことをご報告します。
これは紛れもなく、スポンサー様を始め、日頃からご理解と応援してくださってる皆様のおかげで実行できたものと自負しております

ケニアの首都「ナイロビ」から車で7時間離れた「イテン」という、標高2400m(富士山五合目に相当)の地にマラソントレーニングのためにやってきました。
一時的には、4日間軽い故障で走れないことや、過敏性腸症候群になり2日間走れないこともありましたが、それを除いては無事にトレーニングを積み重ねられました。

今回は2回目ということもあり、行動スケジュールは行き詰まるものではなかったため、比較的楽に行動出来ました。
《曜日毎のプログラム》
火曜日:スピードワーク
木曜日:ファルトレク
土曜日:ロングラン
※それ以外の曜日はジョグ繋ぎ(16〜20kmジョグ)

去年とさほど変わらず、強いて言えばロングランより、ロングインターバルの頻度を増やしたことです。
ロングランの効果はショートインターバルとロングランと比べ、とても高い研究のデータがあります。
そのため去年あまり出来なかったことを反省に、今年はそれを重点に行いました。
主に1200m.1600m.2000mを6〜10本、3km、4kmを4〜6本。
スピードワークは400mや1000mの王道インターバルで15〜25本。
ファルトレクは足場が不安定な赤土の上で1分もしくは2分か3分のいずれかの疾走を行い、リカバリーは1分ジョグで繋いで、数本行うものです。50〜70人近くの集団で溢れるため、土埃がやばいです。(笑)
そしていつもビリから数えられる順位にいるくらい、ケニア人はすごく速いです。
ロングランは故障と疲労のリスクを考慮し、あえて40kmは行わず、最長で36km走りました。
ジョギングの日は、主にフォレストラン(森の中を走る)を自主的に行うなどしてきました(虫の遭遇が唯一の恐怖)

曜日毎のプログラムはざっとこんな感じですが、今回の合宿を通して、あるランナーから教えてもらった言葉があります。
「1人で練習するのは健康のために走る人がやること」
“自分を変えるには、誰かと一緒に走らなきゃダメ。自分のペースじゃなく、相手のペースに合わせて走る。
ケニアとエチオピアでは「1人で走る事は、1人で食事することや1人でポツンと時間を過ごすのと同じように反社会的で怪しい行為だとみなされている。僕たちは結果のために走る。どうやってタイムを良くできるかを常に考えている」ということを教えてもらい、ハードワークな日はもちろん、通常の簡単なジョグでも、常に誰かと一緒に走るように心がける必要があります。
適当に走り始めれば、そこら辺に必ずと言っていいほどグループがあるので、そこに便乗するなど工夫してきました(疲労が激しい場合は、流石に一人でゆっくり…)
日本ではあまり考えられないスピリッツですよね。
そのおかげで、ケニア人の強さの秘密や走り方、モチベーション、足場が不安定な中でのスピード養成など、日本ではまず得られないような経験が豊富に出来ました。

私がケニアに来た理由は、2025年デフリンピックで世界ナンバーワンになる事です。
そのために2022年から年1回ケニア単身遠征を決行しています。
「それなら日本でも練習すればいいじゃん?」賛否両論ありますが、個人的には強くなるためには環境を変えなければと思っています。それも一時的なものではなく。もちろんケニアに来たからと言って、環境が強くしてくれるわけじゃない。強くなるためには、よりハードワークなトレーニングが必要になります。
日本は、周りを見渡せば様々なノイズが溢れていますよね。洋服や食べ物、便利な交通、都会、SNS、テレビ、友達、そして家族。私はこれらのノイズキャンセリングをしたく、そして何かを犠牲にしてまでケニアの「イテン」という、特別な空気のある場所にやってきました。
自分がマラソンをどれだけ愛してるか、結果を出すためには、何かを犠牲にしてるかで、すべてが決まるものだと思っている。
そんな覚悟を持ち、「走る・食べる・寝る」のルーティンをシンプルに繰り返し、余計所は一切取り入れない、出歩かない、といったまさに忍耐の3ヶ月間でした。

本当にイテンは不思議な場所です。

最大の目的と、今後のレース

現在の最大の目的は、2025年11月に開催される、東京デフリンピックで世界ナンバーワンになること。
それに向けて、今年度の主なレースを公表します。

《10月》
20日 TCS Amsterdam marathon

《11月》
17日 上尾シティハーフマラソン
23日 平成国際大学長距離記録会5000m or 10000m

《11月》
30日〜1日 日本デフ陸上競技選手権大会10000m.5000m

《12月》
15日 世界デフ陸上競技選手権大会in台北

《2月》
2日 別府大分毎日マラソン

《3月》
2日  東京マラソン
23日 練馬こぶしハーフマラソン(ゲストランナー)
30日 ふくい桜マラソン

次回ケニアへの渡航予定

次回は2025年7〜10月の内、2ヶ月を予定しています。
自己負担をしてまで、競技に全身をかけ、強くなりたいアスリートのみ、私までご連絡をください。
情報提供、帯同等のサポート可能です。

スポンサー様、関係者の方へのお礼

終わりに、日頃から私の活動に賛同し、今回ケニアの遠征を可能のものにして頂いたスポンサー企業、関係者様への感謝の敬意を表すと共に、紹介させていただきます。

◆Find-FC 様

️◆チームニュートリライト 様
https://www.nutrilite.jp/teamnutrilite/teamnutrilite.html

◆ザムスト 様

◆セブスポーツ 様

️◆東京メールサービス 様
https://athlete.tm-service.co.jp

◆global Wi-Fi  様

️◆スパイス欧風カレーPAIKAJI 様

️◆ ZENB 様

️◆ AirFly 様

️◆ 公益社団法人東京都障害者スポーツ協会 様
https://www.sports-tokyo-info.metro.tokyo.lg.jp/athlete/athlete/268.html

️◆江戸川区文化教育部スポーツ振興課 様
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e028/sports/sports/syougaisya_suports/nakanokosuke.html

️◆埼玉県県民生活部スポーツ振興課 様
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0312/paradream/5nintei.html

デフアスリート・中野 洸介選手を応援しよう!

アスカツの姉妹サイトFind-FCでは、中野 洸介選手を応援・ご支援してくださるスポンサー様、サポーター・ファンの皆様を募集しています。詳しくはアスリートとスポンサーを繋ぐFind-FCをご覧ください。

中野洸介選手プロフィール

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