【アスリートインタビュー】ステアクライミングバーティカルランニングの日本代表として活躍する小山 孝明さんに取材しました!
海外を中心にソフトボールをしているアスリートライターの本庄遥です!
今回は、東京タワーやあべのハルカスを始めとした高層ビルや野外の階段を走り、タイムを競うバーティカルランニングのランナーに取材しました。
バーティカルランニングとは、一言でいうと、階段を全力で駆け上がる競技です。
聞いただけでもかなりきつそうなイメージがありますが、一体彼はどうしてこの競技を始めたのでしょうか?
その真相と、彼の夢や目標に迫りました。
今回のピックアップアスリート
競技実績
2017年9月 東京タワーレース 3位
2018年11月 ハルカススカイラン 一般の部 14位
2018年1月 新潟ビルクライムカップ ショートの部 優勝
2018年1月 新潟ビルクライムカップ ロングの部 7位
2018年6月 東京タワーレース 準優勝
2018年9月 東京タワーレース 準優勝
2018年11月 ハルカススカイラン エリートの部11位
2018年11月 VWCロンドン大会 3位
2019年1月 新潟ビルクライムカップ ショートの部 優勝
2019年1月 新潟ビルクライムカップ ロングの部 準優勝
※東京タワー 2分17秒は日本歴代2位
※VWC(vertical world circuit)ワールドシリーズ
バーティカルランニングを始めたきっかけ
ーーー小山さん、本日はよろしくお願いいたします!
よろしくお願いします。
ーーーまず始めに、バーティカルランニングを始めたきっかけについて教えていただけますか?
僕自身がバーティカルランニングを始めたのは2年前の26歳のときです。
たまたま見ていたポータルサイトに書いてあった、高層ビルを駆け上がる大会に出てみようと思ったことがきっかけです。
ーーー高層ビルを駆け上がるのは、かなり体力がいりますが、いきなり走れるものなのでしょうか?
素人だと急に走るのはかなりきついと思いますね。笑
僕自身、もともと陸上の短距離選手をしていたので走ることができました。
現在パーソナルトレーナーなので体力にも自信があります。
ーーーパーソナルトレーナーだと普段から鍛えておられますよね!ということは、体力もありますし、大会自体は結構は楽しめたのではないでしょうか?
いえ、むしろただただしんどかったですね。笑
初めての大会だったので、もちろんペース配分もわからないですし、出場自体興味本位だったので。
ーーーそれでも続けようと思った理由は何でしょうか?
僕が競技を始めた翌年に、バーティカルランニング初心者の日本人選手がワールドシリーズで3位入賞をしたんです。
僕自身、短距離選手をしていたし、階段をダッシュをするだけと考えたら自分にもチャンスがあるのではないかと火が付きました。
そこから大会にも頻繁に出場するようになりました。
2017年に行われた東京タワーで行われた大会では、3位に入賞。
大会に出るごとに結果もだんだんついてくるようになりました。
ーーー先ほど東京タワーの大会とおっしゃいましたが、一番上まで駆け上がるのでしょうか…?
一番下から真ん中の展望台まで登ります!
距離で換算すると120mです。
ーーー120m上に駆け上がるってかなりきつそうですね…。大会は何名ほど参加しているのでしょう?
去年のアベノハルカスの大会には2400名の方が参加をしていました。
アベノハルカスは、ワールドシリーズのときにも使われている会場です。
バーティカルランニングのルール
ーーーバーティカルランニングのルールについて教えてください。
まずフィールドとなるのが、超高層ビル、もしくは屋外の階段です。
そこでタイムと着順を競います。
どんな手段を使ってもいいから誰よりも早く着いた人が勝利です。
手すりを使っても、一段飛ばしても、二段飛ばしでもいいんです。
ーーー世界で活躍しているランナーの多くは、どのような方法で登っていますか?
一段飛ばしが多いですね。
ですが、「ダッシュする」というより、「マラソン」のようなイメージです。
ダッシュで駆け上がると30秒も持たないので、階段でマラソンをする感じですね。
ーーーだいたいどれくらいのテンポで走りますか?
1秒で4段のぼるイメージです。
東京タワーの場合は、速い人なら2分で展望台まで登ります。
国内の階段で例えると、、20~25段が1フロアで、1フロアあたり5秒ほどです。
ーーーイメージしただけでもなんだかしんどくなってきますね…。
実は、アスリートの方なら1フロア5秒って案外登れるんですよ。
後半になってくるにつれて段々しんどくなってきたときには、手すりや踊り場を使って体力を温存しないとペースが乱れてしまいます。
バーティカルランナーと一般のアスリートの方は、ちょっとした工夫や細かい技術によってかなり差が開きます。
トレイルランニングとの違い
ーーーバーティカルランナーとよく似ていると言われているトレイルランニングというものもありますよね。それらの違いはなんなのでしょうか?
私たち選手としても、この2つの競技はかなり似通っていると感じています。
しかし、できた過程が全く違うんですよね。
ーーーどういうことでしょうか?
バーティカルランニングは、大元のスポーツはスカイランニングなんです。
スカイランニングというのは、登山がベースになっています。
しかし、トレイルランニングのベースはランニングなんですよね。
その競技ができた過程が違うだけで、競技的には非常に似たものがありますね。
バーティカルランニングの魅力
ーーーバーティカルランニングの魅力を教えてください。
1番の魅力は、短時間で追い込めることですね。
ーーーそれってトレーニング的な意味でですか?(笑)
トレーニングとしてもそうですが、私の「追い込む」という意味は、爽快感や達成感に浸るまでの時間が最短ということです。
アスリートの方なら分かりやすいと思うのですが、爽快感や達成感に浸る方法って、しんどい、辛いという感情を乗り越えて、何かを達成する瞬間だと思うんです。
さらに、バーティカルランニングは到達地点が高層ビルの高いところ。
到着した瞬間、高い場所からの最高の景色が広がっているので、より達成感が感じられます。
ーーーなるほど!確かにスポーツって頑張りぬいたことが直接達成感に繋がりますよね!
そうですね!
バーティカルランニングの魅力はもう1つあります。
世界代表レベルの選手の方々は、海外での大会や遠征があると思います。
せっかく遠いところまで行くのであれば、やはり観光もしたいなと思いますよね。
ーーーそうですね。せっかく海外に行くなら観光したいなと思います。
ですがアスリートは大会が終わった日はクタクタになったり、次の日には疲労が溜まって、観光を楽しめないことも少くありません。
しかし、バーティカルランニングは追い込む瞬間が一瞬なので、筋肉への負担も非常に少なく次の日にも引きずらないんです!
観光も思いっきり楽しむことができます!
現在の活動の中での問題点
ーーー非常に素敵な競技なんですね!!現在の活動の中で問題点や課題等があれば教えてください。
競技自体が、超高層ビルもしくは東京タワーなど非常に高い建物でしかできないため、練習場所が非常に少ないです。
非常階段を解放してもらうことさえできれば、場所を確保できるのでビルのオーナーの方々の協力を得たいなと思っています。
また国内でも人口が少ないため、技術向上のためのノウハウがほとんどない状態です。
海外遠征も費用がかかるため、年に数えるほどしか行くことができません。
金銭面をカバーすることができれば、ワールドシリーズに出場できる機会が増えます。
大会出場の機会が増えれば、結果を残せる機会も増え、技術向上にも繋がると感じています。
アピールポイント
ーーーこの問題解決をするためには、サポートしてくださる方やスポンサーの方々の協力が必要になってくると思います。もし小山さんのことをスポンサーした場合、どんなメリットがありますか?
スポンサーしていただいた場合の最大のメリットは、一緒にそのバーティカルランニングを発展させるパイオニアとして活動していけることですね。
現状、バーティカルランニングをサポートしてくださる方はいないので、一番最初にサポートした企業様になることができます。
中国では年間130大会以上行われていたり、アメリカでは40年以上前からあるスポーツとも言われています。
非常に人気も上がってきており、今後可能性がある競技だと確信しております。
階段を使う競技なので、不動産などの企業の方であればその物件を使って大会を開催することもできます。
また、僕自身とスポンサー契約を結んでいただくことができれば、階段で一緒にエクササイズも開催できますね!
ーーー階段でエクササイズですか?笑
そうです!
冒頭でもお話ししたように、僕自身パーソナルトレーナのためフィットネスクラスを開催することもできます。
会社の方針として、健康を課題としてあげられている企業であれば、一緒にエクササイズもできたらベストだと感じています。
今後の活動
ーーー最後に今後の活動、目標について教えてください。
まずは去年は25位だったワールドシリーズで10位以内になることです。
去年はワールドシリーズには一度しか行っていませんが、25位になることができました。
今年は順位を上げるためにも、最低5回は出場したいですね。
もう1つ、個人目標と同じくらい大切にしていることは、バーティカルランニングの普及活動です。
2024年のパリオリンピックの有力種目候補として、スカイランニングがあげられているのですが、スカイランニングって舞台が山岳なんです。
しかし、バーティカルランニングは超高層ビル、もしくは野外の階段さえあればできる競技なので開催する敷居が圧倒的に低いのでは?と感じています。
観客も登る方も比較的お手軽なので、可能性は非常に高いと感じています。
直近での目標は、2023年までに各都道府県に協会を設立することです。
現在は東京タワーやアベノハルカスが舞台になっていますが、今後他の建物の方にもお話しして少しずつ練習場所、大会が開催できる場所を増やしていきたいと思っています。
アスリートライターから見た小山さんの魅力
小山さんの魅力は、「普及に対しての熱い気持ち」です。
私がたくさんのアスリートとお話ししてきた中で、「マイナースポーツの普及活動」というのは毎回上がってくるものです。
しかし、普及活動をしたいと考えながらもスポンサーメリットを見出せなかったり、どのように普及すればいいかの具体例を引き出すことって結構難しいことだと感じました。
そんな中小山さんは、一アスリートとして、そして自分の職(パーソナルトレーナー)を生かし、周りの人を巻き込みながら協力しようとしています。
今回も非常に具体的な普及案を教えていただき、私自身も参考になりました。
元陸上選手だったこともあり、今後のご活躍が楽しみです!
小山さんのことをもっと知りたい方はこちらから!
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