大人顔負け⁉近代五種で活躍するジュニアアスリートの太田楓(かえで)・太田捺(なつ)姉妹に取材しました!
ソフトボールで海外を駆け回る本庄遥です。
今回取材した姉妹がしている競技は、一風変わった競技。
1つの競技をひたすらこなすのではなく、なんと5つの競技を1つの大会でこなすというなんともタフな競技をしているんです!
しかもその競技の種類が、馬術、水泳、フェンシング、レーザーラン(射撃とランニング)と5種類行います。
今回は、『近代五種』という競技で活躍する太田姉妹に直撃しました!
今回のピックアップアスリート
近代五種とは?
近代五種とは、馬術、水泳、フェンシング、レーザーラン(射撃、ランニング)を指します。
1人の選手が1日に5競技をこなすので、、体力的にも精神的にも非常にきついと言われているスポーツです。
オリンピック競技でもあり、「キング・オブ・スポーツ」とも称されています。
周りに支えられながら活動に没頭する2人
今回の取材は、専属コーチ、太田姉妹の3人で行われました。
近代五種と聞くと、「練習は?」「莫大なお金がかかるのでは?」「誰が教えるの?」と疑問がいくつも思い浮かびますよね。
彼女たちが競技を始めたのは、水泳を始めたことがきっかけ。
現在2人の専属コーチとして指導されている菅原コーチは水泳のコーチをされています。
菅原コーチが近代3種をしていたことも重なり、2人も近代3種の大会に出場。
身体能力が高い2人は、3位と差をつけ、1位2位を独占してしまうほどの実力があります。
ここ一年で力をつけ、国際大会にも出場するほどの実力者です。
2人が教わる先生は、菅原コーチだけではありません。
札幌高校のフェンシング部の先生、外部から陸上部の先生を招き、指導してもらっています。
競技の中に「馬術」もあり、どうしているのか質問すると、「(菅原コーチの)父が乗馬クラブをしているんです。そこの馬を借りて練習に励んでいます。」と練習の環境がバッチリ揃っています。
2人が結果を出せるのは、「みんなで太田姉妹を応援する環境」が整っているからとも言えます。
オリンピックを目指す2人
太田姉妹が競技を始めたのは、上の子が小学6年生、下の子が小学4年生の時でした。
お互い勝ったり負けたりしている競技があり、得意な競技もバラバラです。
楓ちゃんの好きな競技は水泳。
「一番前を泳いでいるのが好きなんです。」
と、しんどい気持ちよりも楽しさが勝っている様子。
妹の捺ちゃんの得意な競技は、近代五種で最も体力を使うと言われているレーザーラン。
「一番辛い競技だけど、最後に前にいる人たちを抜かしていく瞬間がたまらないです。」
とお姉ちゃんよりタイムが速い競技を誇りに思っている様子でした。
楓ちゃんが最も伸ばしたい競技は、妹にタイムを負けているレーザーラン。
話している様子から、お互いが負けず嫌いなのだとひしひしと感じました。
捺ちゃんは、フェンシング。
「身長が小さいので、不利だけど技術を磨いて勝ちに行きたい。」
と強気のコメントでした。
コーチからみた2人の魅力
「始めた頃から2人とも凄い。という印象でしたね」
国内のランキングは年代が無差別にも関わらずたった一年の競技歴で大人の選手や高校生にさえ勝つほどの実力がある2人です。
ーーー菅原コーチから見て2人の能力のすごいところは?
2人とも競技を始めた頃からセンスを感じていました。
練習自体、一年と少しなのにも関わらず、国内のランキングは無差別で、大人の選手、高校生にも勝てるレベルです。
北海道なので、決して環境が整っているとは言えませんが、吹雪の日も朝からランニングをしたり、日々厳しい練習に励んでいることで、練習の成果がどんどん出てきています。
5種目の中でも最も厳しい戦いになるのが、最後に行われるレーザーラン。
体力的にも精神的にも厳しい競技ですが、2人が練習を真剣に取り組んでいるので、どんどんタイムも伸びています。
太田姉妹と私3人は常に同じ気持ちで戦っており、サポートして頂いている方々にもお返しできるようどんどん貪欲に練習していこうと思っています。
ーーー北海道の寒い中で日々練習されているからこそ、精神的にも鍛えられている様子が伝わってきます。現在5つの競技を「近代五種」という1つの競技としてされていますが、今後1つの競技のレベルが上がって、その競技に絞ってやることはないのでしょうか?
今のところその予定はありませんね。
フェンシング、水泳などの大会に出場して実力を試すことはあります。
2人とも実力があり、全国大会にも出場することもあります。
今後水泳やフェンシングの競技レベルが上がっても、それ単発で出場することはないかないと思っています。
近代五種への想い
来年の東京オリンピックの正式種目でもある近代五種。
道具を使うフェンシング、馬に乗る馬術などお金がかかる競技もある中で本気で日本で代表選手を目指す3人からは非常に熱い想いが伝わってきました。
現在は、宿泊費や海外遠征費も全て自己負担で、金銭的に厳しい状態にもあると言います。
マイナースポーツの中でも国内で数える人数しか行っていない競技ではありますが、今後何年にもわたって広まっていくスポーツです。
最近では、北海道のテレビに出演する機会も出てきており、今後露出の回数も増える見込みです。
「スポンサー募集もしており、契約した場合にはユニフォームへのロゴの掲載や、商品の宣伝など積極的に行いたい」とのことでした。
今後の目標
ーーー最後に今後の目標を教えてください。
オリンピックに出場することです。
近代五種競技でメダルを獲得することが目標です。
そこに行き着くまでにも様々な目標がありますが、一番の焦点はオリンピックに合わせて活動していきたいと思っています。
アスリートライターからみた太田姉妹の魅力
太田姉妹の魅力は、「心からプレーを楽しんでいること」。
5種目の練習が必要なので、私たちが想像しているよりもかなりハードスケジュールをこなしています。
2人ともが「勝ちたい!」という気持ちを強く持っており、今後かなり伸びていくのだろうと確信を持ちました。
今後の2人の活躍に目が離せません!!
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