アスリート・スポーツ選手がプロダクションとマネージメント契約する前のチェックポイントvol.1(契約書編)

最近では、プロ・アマを問わず、テレビやインターネットなどのメディアにアスリート・スポーツ選手が出演する機会が非常に増えています。アスリート・スポーツ選手は、その競技活動だけではなく、肖像、名前、その人間的な存在自体に大きな価値がでてきているからです。

この傾向は、SNSやYouTubeなどの様々なメディアを通じて、その競技レベルだけではなく、そのキャラクターや人間性に対して、多様なスポンサー・サポーター・ファンが増えたことの現れであって、スポーツ界にとっては大変喜ばしいことです。

その一方で、アスリートやスポーツ選手が個人でメディアの取材やイベントへの出演など芸能・モデル活動を自ら対応・管理することは非常に大変です。メディアや広告代理店との連絡、スケジュール管理、調整、交渉、各種権利関係の確認、契約締結などリーガルチェックなど非常に煩雑な作業が多岐にわたり必要であり、本業である競技活動と両立していくことはとても難しいことです。

このような場合、多くはプロダクションやマネジメント会社などに依頼することが一般的になっており、今後も、こういったアスリート・スポーツ選手の契約形態は増えていきます。

そこで今回は、アスリート・スポーツ選手がプロダクションやマネジメント会社などと契約をする場合に、事前にチェックや注意すべき事項、メリットやデメリットなどについてまとめてみました。

マネージメント契約書を作成しましょう

まず第一に、基本的な部分としては、契約書の重要性になります。

最近は日本国内でも各種契約書を作成することが一般的になってきてますが、スポーツ業界やエンターテインメント業界の性質上から、まだ、契約書を締結しないまま様々な話が口約束程度で進行してしまい、アスリート・スポーツ選手やいつのまにかプロダクションやマネージメント会社に所属していることになっている、といった事態が発生していることが散見されます。

とくに、プロダクションやマネージメント会社によって、テレビ・ネット・雑誌・イベントなどと…得意な分野が異なったり、複数のマネージメント会社が業務を協業しながら進行することはよくあることで、アスリート自身が「自分はいったいどこの会社に所属しているのか。自分をマネージメントしているのはどこ会社なのか」といったことすら非常に曖昧になってしまうこともよくあります。

”口約束で…”、”信用契約なので…”という話をよく聞きますが、よく言えば信用の上で成り立ってる取組みがありますが、万が一なんらかの問題が行った時には、得てしてアスリートやスポーツ選手側が不利になってしまうことがあります。

そこで、そういった紛争や問題発生を防止するため、きちんと契約書の作成・締結をお勧めします。アスリート側からは言い出しにくいことではあると思いますが、きちんとしたプロダクションやマネージメント会社であれば、当然応じてくれますし、むしろそのほうが信用できると言え、安心です。

芸能活動の程度やマネージメントの範囲を明確にしておきましょう

次に、具体的にマネージメント契約の内容に触れていきます。まず、自分がプロダクションやマネージメント会社にお願いしたい業務は何か、つまり、マネージメント契約の主な目的が何なのかをはっきりさせておきましょう。

多くの場合は、テレビや雑誌などのメディア出演、講演依頼、CM出演など、いわゆる芸能活動のフロント窓口になり、一元的にマネージメントを引き受けてもらいたいという希望があるでしょう。

ここで注意しておきたいポイントが、本業であるスポーツ・競技活動との両立になってきます。競技活動と芸能活動のバランスは、アスリートによって異なりますし、また、競技のオンシーズンやオフシーズンなどの競技種目の時期によっても異なってきます。もっとも、マネージメント会社としては、可能な限り芸能活動を、とりわけ、コマーシャルなどある程度期間の長く、比較的高単価な仕事が欲しいのもビジネス上当然です。

その為、特段取り決めをせずにスケジュール管理を任せてしまうと、多くの本業以外の活動をせざるを得ず、競技活動、練習・トレーニングなどに十分な時間がとれなくなってしまう、といった事態が生じかねまげせん。

芸能活動には、実際の出演などの本業務だけではなく、その手前の営業活動など付随的な行動が必要な場合も多く、どこまでそれに対応するか、といった問題も発生します。そこで、アスリートのスケジュールの決定権がどこまであるのかを明らかにしておく必要があります。

芸能活動の一つ一つを完全に事前にとり決めることは非常に困難ではありますが、競技活動が最優先であること、時期による配分の変更があれば、可能な限りその詳細や条件をプロダクションやマネージメント会社に説明したうえ、契約書に明記したほうがいいでしょう。

次回以降は、報酬面・権利関係についてご説明させていただきます。

アスリートのマネージメントに関するご相談・お問合せは、Find-FC Athlete Model Agencyまで。

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