『日本の武術太極拳は我らが双子に任せろ!』~武術太極拳・三船仁選手に取材しました
皆さん、こんにちは。コロナ終息祈願として先日、身延山久遠寺でお百度参りをした階段坊主こと、バーティカルランナーの矢島昭輝です。今回、アスカツ・アスリートライターとしてデビューさせて頂きました。
今回のピックアップアスリートは武術太極拳の三船仁選手。明るくハキハキとした情熱的な好青年です。世界の頂点を目指す三船仁選手の魅力に迫ります。
武術太極拳とは
―――三船さん、本日はよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します!
ーーーさっそくですが武術太極拳とはどのようなスポーツなのでしょうか?
武術太極拳とはカンフーともいわれるもので中国伝統武術を「型」として演舞し、その完成度を競うものになります!
南拳、長拳、太極拳と分かれているんですが、それぞれ徒手、長器械、短器械と更に分かれています!
―――沢山種類があるんですね!それぞれどう特徴が違うんでしょうか?
ゆっくり動いたりキレよく動いたり武器を使ったりと様々です!自分の個性を活かして競技種目を選べるので必ず自分に合うものがあるかと思います!ちなみに私が得意とするのは長挙なんですが動きにキレがあって格好いいんです!
―――SNSの動画を見ましたが本当に格好良かったです!
ありがとうございます!練習を重ねるごとにこんな風に身体って動くのかという発見があったり、歳を重ねた後でも健康維持に役立つので広めていきたいところです!
双子の兄と一緒に競技をしていることもあり、文化祭などのイベントでは沢山の人に格好良さを伝えられたかと思います!
武術太極拳を始めたきっかけ
―――どのような経緯で武術太極拳を知り、始めようと思ったのでしょうか?
武術太極拳は私が小さい頃から自分の身近にあるものでした。というのも父親が指導者だったんです。物心つく頃には武術太極拳をしていたのですが中学生までは習い事感覚で練習をしていました。正直「指導者の息子」として見られることにプレッシャーもありましたし、むしろ武術太極拳よりサッカーの方が好きでした(笑)
―――そうなんですね、ではいつ頃から選手として意識をしたのでしょうか?
高校生の時ですね。高校生になり父親から選手としてやるか、趣味としてやるか、やめるか、どうするかを聞かれたんです。父親が世界レベルで活躍していたので当然の質問ではあったのですが当時の私としてはどうしようかな…というところでした。
しかし、今まで指導をしてくれた父親への感謝や憧れの選手が見る世界に近づきたいという気持ちもあり、選手として進むことを決意しました。
―――今は大学四年生ですが生活と練習の両立は如何でしょうか。
現状収入源はアスリエというスポーツクラブにてパーソナルレッスンを持っているのみになります。日中は勉学とバイト、夜は練習と後輩の育成に励んでおり、何とか生活と練習を維持しております。
―――現状の生活でパフォーマンスは充分に発揮できますか?
いえ。やはり海外のプロ選手と比べてしまうと練習時間も環境も敵わず、今後大学を卒業してからの生活にも不安を感じる自分がいます。
来年就職をして安定を求めると競技に当てる時間は少なくなってしまう、フリーになると競技に当てる時間は増えても不安定な生活となってしまう。
フリーになっても安心の出来る何か主軸の支えが必要だと切実に感じています。
三船仁について
―――自身の強みはなんだと思いますか?
フィジカルの強さ、速度、難度技術の高さだと思います。
国内では最高レベルであるという自負があり、継続力と客観視できる力があります。
また向上心も人一倍にあり、155cmと身長が低く、才能があるわけではない自分がこの世界で勝つために何が必要なのか、他者と比べた時の長所、短所を徹底的に分析するなどやれることは全て行う行動力もあります。
また、小さい頃から様々な指導者の意見を聞いてきた影響で、多くの価値観を学ぶことができたため、考え方が柔軟になることができたことも強みであると思っています。
―――では今後の課題としては如何でしょうか。
練習時間と活動資金の確保が第一です。私たち双子もそうなんですが日本の選手は全員がアマチュアです。海外のプロチームの選手には練習時間も環境も敵いません。事実、私たちは昨年の世界選手権でプロのフィジカル、メンタル、スキルを目の当たりにし、アマチュアとの差が浮き彫りになっていることを実感しました。アマチュアでは仕事や学業で時間を取られてしまいますので中々世界に羽ばたくのは難しいと感じてしまいます。
今後は競技に集中出来る環境の確保、パーソナルトレーナーをつけての肉体改造、体操教室などで新技訓練をしていく必要性があると感じております。
現在の活動状況や今後の目標
―――現在はどのような活動をしていますか
今はオンラインによる後輩への技術コーチングや動作撮影をしながら細かい基礎動作の見直し、大会期間中ではできない本格的な肉体改造、新難度跳躍技への挑戦など次の大会で飛躍できるための準備をしています。
―――今後の目標や夢はどのようなものでしょうか。
将来の夢は、世界で選手として活躍すること、またその後に指導者として後進をしていくことです。
―――選手としては目指すものは何でしょう?
国際大会でメダルを獲ることが目標です。昨年、トップレベルの高難易度跳躍技を日本人で初めて成功させてトップランカーのプロ選手に肉薄するまでにはいったんです。結果はメダル獲得に届かなかったものの、初の国際大会で十分な手応えを感じることができました。来年アジア選手権が開催予定なので、そこでのメダル獲得を目標にしています。
―――指導者としての未来はどうお考えでしょうか?
引退は2024年の日本開催のアジア大会と決めているのですが、選手を引退した後は福岡に帰り、父親と兄の3人で指導者として福岡の武術太極拳を盛り上げていきたいです。今は弱小と言われる福岡ですが、国際仕様のコートが敷かれた専用の練習場を作って世界で戦えるような選手を育てていきたいです。そしてゆくゆくは、チームから世界へ行くのではなく、「我がチームこそが世界だ」と言えるようなクラブチームを作っていきたいと思っています。
あとがき
笑顔の明るい元気な好青年であった三船選手。自身の競技力向上のためには何事も好奇心旺盛に臨み、様々な観点から物事が見える点は素晴らしいところです。
私が競技として行っているバーティカルランニングにも「基礎体力の向上」という点で興味を持ってくれました!是非ともそのエネルギッシュを活かし、双子共に世界を取りに行ってほしいものです。
溢れ出る熱い情熱だけではなく、人を引き付ける温かい魅力も持ち合わせた三船仁選手。今後の活躍に大いに期待です。三船仁選手を応援しましょう。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。