アスリートが様々なメーカーなどから物品提供、支給、貸与などして頂くことで、スポンサー契約、サプライヤー契約、アンバサダー契約を締結することがあるかといますが、今回は物品提供の際にチェックしておくべきことをご紹介いたします。
スポーツにおけるサプライヤー契約とは?
スポーツにおけるサプライヤー契約とは、スポーツ用品や装備、または栄養補助食品などの商品を提供する会社と、スポーツ選手やチーム、大会主催者などの間で締結される契約のことを指します。
一般的に、スポーツ用品や装備を提供する会社は、スポーツ選手やチームに対して、商品の提供や使用を支援することで、商品のブランド認知度や販売促進を図ります。また、スポーツ選手やチームが使用することで、商品の性能や品質に対する信頼性を高めることも狙いの一つです。
一方で、スポーツ選手やチームにとっては、サプライヤー契約を締結することで、商品の提供や使用によるサポートを受けることができます。また、契約によって報酬を得ることができる場合もあります。
さらに、大会主催者にとっても、サプライヤー契約は重要です。大会を主催することで、サプライヤー契約を締結することで、大会の成功に貢献することができます。また、選手や観客にとっても、商品の提供や使用によって、大会の印象や体験が向上することが期待されます。
一般的に、サプライヤー契約には、商品提供や使用に関する規定や報酬、契約期間などが含まれます。契約内容は、各企業や選手、チーム、大会主催者によって異なる場合があります。
スポーツにおけるアンバサダー契約とは?
スポーツにおけるアンバサダー契約とは、特定のブランドや商品を広くPRするために、スポーツ選手や有名人などの著名人が、ブランドの代表的な顔として起用される契約のことを指します。
一般的に、アンバサダー契約を締結する側の企業やブランドは、著名人の知名度や人気を活用して、広告効果を高めることを狙っています。一方で、アンバサダー契約を締結する側のスポーツ選手や有名人にとっては、商品の使用やPRによって、報酬を得ることができます。
スポーツにおいては、競技の観点からも、著名なスポーツ選手が商品やブランドのアンバサダーに起用されることが多くあります。特に、競技において優れた実績を残したスポーツ選手が起用されることが多く、その選手のファン層に商品の知名度を広げることが狙いとされています。
アンバサダー契約には、商品やブランドのPR活動やイベント出演などの活動、契約期間、報酬などが含まれます。また、契約期間中には、スポンサー企業から商品を提供されたり、特別な待遇を受けたりする場合があります。
しかし、アンバサダー契約には、著名人としてのイメージに関わることが多いため、選手や有名人自身が商品やブランドに納得していない場合は、契約を拒否することがあるため、契約に至るまでには双方の意見調整が必要です。
アスリートへの物品提供スポンサーの傾向
アスリートへの物品提供の場合は、資金提供を伴わないサプライヤー契約やアンバサダー契約になるケースが多くなっています。その場合、資金提供と比較して、契約内容における対価が分かりずらくなります。例えば、現金10万円の資金提供と、市販価格10万円分の物品提供では、単純な資産的な価値としては現金のほうが高い傾向にあります。
物品の市販価格は、必ず製造原価、流通原価、販促費など加味した上で一般消費者向けの価格設定されています。人気商品やブランド商品では現金換算より高い価値があることはありますが、一般的商品では原価率を踏まえて現金換算よりその価値が低くなります。
そこで、アスリートがそのような物品提供契約をする際に、対等な契約になっているかをチェックする場合、各商品の原価など把握しておくと、より良い契約条件を引き出せる可能性があります。
スポーツ飲料の原価率について
スポーツ飲料の原価率は、製品の種類や販売地域、製造元の規模などによって異なりますが、一般的には25%から50%程度と言われています。原価率とは、製品の販売価格に占める原材料費、製造費、包装費、運送費などの割合のことを指します。また、企業努力によりそれを下る商品も多く存在してます。
スポーツ飲料の原材料には、水、砂糖、塩、酸味料、香料、着色料、ビタミン、ミネラルなどが含まれます。これらの原材料の調達コストは製品の原価率に大きく影響します。
また、製造費には、設備投資や機器のメンテナンス、人件費、電力費などが含まれます。包装費は、容器の種類やデザイン、ラベル印刷などによって異なります。運送費は、製品を輸送するための輸送手段や距離、燃料費などによって変動します。
以上のように、スポーツ飲料の原価率は、さまざまな要因によって変動します。製造元は、原価率を把握し、適切な価格設定とコスト管理を行うことが重要になってます。
アスリート向けのサプリメントやプロテインの原価率について
アスリート向けのサプリメントやプロテインの原価率は、製品の種類や成分、製造元の規模や生産量、販売地域などによって異なりますが、一般的には30%から60%程度と言われています。また、企業努力によりそれを下る商品も多く存在してます。
これらの製品の原材料には、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、クレアチンなどが含まれます。これらの原材料の品質や純度によって、調達コストが大きく変わることがあります。
また、製造費には、設備投資や機器のメンテナンス、人件費、電力費などが含まれます。さらに、製品の形状や包装方法によってもコストが変わります。たとえば、粉末状のプロテインの場合は、包装材料やラベル印刷、容器の種類によってコストが異なります。
販売価格は、原材料費や製造費、包装費、販売費用などの合計を考慮して設定されます。製造元は、製品の原価率を把握し、適切な価格設定とコスト管理を行うことが重要です。また、製品の品質やブランド力、マーケティング戦略などによって、販売価格に影響を与えることもあります。
アスリート向けのアパレルやスポーツウェアの原価率について
アスリート向けのアパレルやスポーツウェアの原価率は、製品の種類や素材、製造元の規模や生産量、販売地域などによって異なりますが、一般的には40%から70%程度と言われています。また、企業努力によりそれを下る商品も多く存在してます。
アスリート向けのアパレルやスポーツウェアには、高機能素材やデザイン性に優れた素材が使用されています。これらの素材の調達コストが製品の原価率に大きく影響します。
また、製造費には、設備投資や機器のメンテナンス、人件費、生産ラインの効率化などが含まれます。さらに、製品のデザインや加工方法によってもコストが変わります。たとえば、シンプルなデザインのアパレルよりも、複雑なカッティングや加工が必要なデザインのアパレルの方が、製造費が高くなることがあります。
販売価格は、原材料費や製造費、販売費用などの合計を考慮して設定されます。製造元は、製品の原価率を把握し、適切な価格設定とコスト管理を行うことが重要です。また、製品のブランド力やマーケティング戦略、デザインの優位性などによって、販売価格に影響を与えることもあります。
まとめ
このように物品提供の際は、原価率を把握することでその価値を正当に評価するとともに、相手先企業の事業内容を深く知ることになります。資金提供、物品提供、サービス提供に関わらず、アスリートがスポンサー契約する際には相手先企業の事業内容、マーケティング戦略などしっかり把握することで、よりよい取組みができることになります。