アスリートキャリア

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【日本一の監督対談】部員数107名の大規模チーム!國學院大學アルティメット部が全国優勝した秘密

審判のいないスポーツで、選手同士の話し合いによって試合が進行する競技があることをご存知でしょうか。それが「アルティメット」です。アメリカの高校生が始めた遊びから発展したこの競技は、現在では世界規模で展開され、日本でも着実に競技人口を増やしています。

今回は、YouTubeチャンネル「アスリートキャリア」で紹介された、國學院大學アルティメット部の監督による貴重な対談内容を通じて、新しいスポーツの魅力と、大規模チーム運営の秘訣について詳しく解説していきます。現役アスリートの皆様には新たな競技への挑戦のヒントを、引退後のキャリアを考えている方にはチームマネジメントスキルの活用法を、そして企業の皆様にはスポーツ支援の新たな形をお伝えします。

アルティメット競技の独特な魅力と特徴

アルティメットは、フライングディスク(一般的にフリスビーと呼ばれる)を使用したゴール型競技スポーツです。ディスクは一般的なイメージよりも重く大きく、男女が同じディスクを使用するため、性別を問わず楽しめる競技となっています。

最も特徴的なのは、ディスクの浮遊性です。ボールと異なり、回転し続けている間は自然と落ちずに伸び続けるため、70メートルものロングシュートも可能になります。少しの傾きでカーブのような軌道も作れるため、ディフェンスをかわす戦術的なパスも魅力の一つです。

しかし、アルティメット最大の特徴は「審判がいない」ことです。「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」という精神に基づき、選手同士で状況を話し合い、ファールの有無を決定します。これは、選手に高いコミュニケーション能力と人格が求められることを意味し、単なる競技能力を超えた人間力の育成にもつながっているのです。

話し合いで解決できない場合は「コンテスト」となり、一つ前のプレーに戻るルールがあります。この仕組みにより、勝利への執着と相手への敬意を両立させる、他のスポーツにはない独特な競技文化が形成されています。

部員数107名!大規模チーム運営の成功法則

國學院大學アルティメット部は、選手とマネージャーを合わせて107名という日本最大規模のチームです。この大人数を実現した背景には、戦略的な勧誘活動と全部員による真剣な取り組みがあります。

勧誘活動では、毎日のビラ配りに加え、SNSを効果的に活用して体験会への参加を呼びかけています。重要なのは、1年生から4年生、スタッフまで全員が勧誘に真剣に取り組むマインドセットです。1年生が楽しめる企画を練習に取り入れ、実りのある経験を持ち帰れるよう意識した結果、継続率の向上にもつながっています。

大人数ならではの戦略も見逃せません。大学選手権では登録人数に制限がないため、40~50人全員を登録し、それぞれに明確な役割を与えています。これにより、2日間で6試合という過密スケジュールでも、1日目に主力を温存し、2日目の重要な試合に万全の状態で臨む戦略が可能になります。

チーム運営の要素 具体的な取り組み
勧誘活動 全部員参加、毎日のビラ配り、SNS活用
練習企画 1年生が楽しめる内容、実りある経験の提供
試合戦略 大人数登録、役割分担、主力温存戦術

多様な能力を持つ選手を活かす戦術も大人数チームの強みです。身長の高い選手、足の速い選手、特定プレーが得意な選手など、それぞれの特性を生かしながら、苦手な部分をカバーし合う戦術が組めます。主力選手の怪我に備えた代替選手の準備も常に整えており、安定した戦力維持を実現しているのです。

ディフェンス重視の戦術哲学

國學院大學アルティメット部のプレイスタイルは、ディフェンス重視が特徴です。オフェンスはロングシュートが上手な選手とキャッチの強い選手がいれば2人で得点できることもありますが、ディフェンスは7人全員がそれぞれの役割を確実に果たさなければ簡単に失点してしまいます。

この考え方から「ディフェンスありきでオフェンスは比較的自由にやる」という戦術哲学が生まれました。練習では、1年生のうちは基本的な投げ方を重視しますが、上級生になるにつれてゲーム形式の練習が増え、短時間でも常に話し合いを入れて臨機応変な判断力を磨いています。

この戦術は、ビジネスの世界でも応用できる考え方です。リスク管理(ディフェンス)を確実に行った上で、創造的な取り組み(オフェンス)に挑戦するという姿勢は、多くの企業で求められるバランス感覚と共通しています。

卒業後のキャリアと競技の現状

アルティメットは、卒業後も継続できる社会人チームが存在します。全日本選手権で活躍する選手や、日本代表に選ばれる卒業生もいますが、競技一本で生活することは現在の日本では困難な状況です。多くの選手が企業に所属しながら、土日や仕事終わりに練習やトレーニングを続けています。

アメリカではプロリーグが設立され、NFLの競技会場で試合が行われることもありますが、専業選手よりも仕事をしながらプレーする選手の方が多いのが現状です。これは、多くのマイナースポーツが直面している課題でもあります。

金銭的負担も大きな課題の一つです。大会への移動費、宿泊費、エントリー費などを合計すると年間数十万円となり、一人暮らしの学生にとっては大きな負担となります。國學院大學アルティメット部では、この問題に対して卒業生を中心とした企業への働きかけを行い、ユニフォームへのロゴ掲載や就職支援と両立したサポート体制の構築に取り組んでいます。

スポーツ支援の新たな形と企業の役割

カレッジスポーツの多くが自分たちの手弁当で運営されている現状に対し、企業がスポーツを魅力的に捉え、支援する仕組みの重要性が指摘されています。これは、企業にとっても新たなマーケティング機会や人材発掘の場となる可能性を秘めています。

スポーツコミュニティ株式会社が企画運営するYouTubeチャンネル「アスリートキャリア」では、このような新しいスポーツとビジネスの関わり方を継続的に発信しています。同社のアスリート支援事業を通じて、スポーツ選手と企業とのマッチングを促進し、スポーツ能力がビジネスでも通用することを社会に広く伝える活動を展開しています。

アルティメットで培われるコミュニケーション能力、臨機応変な判断力、チームワークは、まさに現代のビジネスシーンで求められるスキルそのものです。現役アスリートの皆様は、このような新しい競技への挑戦を通じて、将来のキャリアに活かせるスキルを身につけることができるでしょう。

未来への展望とアクションプラン

アルティメットという競技は、大学から始める選手がほとんどのため、新しいスポーツにチャレンジしたい人々のニーズに完全に合致しています。野球やサッカーなど他のスポーツ経験者も多く、これまでのスキルを活かしながら新たな挑戦ができる環境が整っています。

企業の皆様におかれましては、このような新興スポーツへの支援を通じて、優秀な人材との接点を作る機会を検討されてはいかがでしょうか。また、現役・元アスリートの方々は、YouTubeチャンネル「アスリートキャリア」で紹介される多様な事例を参考に、自身のキャリア戦略を見直してみてください。

國學院大學アルティメット部の成功事例は、単なるスポーツチームの運営を超え、組織マネジメントや人材育成の貴重な学びを提供しています。詳しい内容や最新の取り組みについては、ぜひYouTubeチャンネル「アスリートキャリア」をご覧ください。きっと新たな発見と刺激を得られることでしょう。

 

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