こんにちは、バーティカルランナー、階段坊主こと矢島昭輝です。
本日は軽部太氣選手をピックアップさせて頂きます。
サーフィン、競技の魅力
―――はじめまして、バーティカルランナーの矢島昭輝です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。プロサーサーファーの軽部太氣です。
―――サーフィンのプロということですが、どういったことを競う競技になるのでしょうか。
簡単にいえば「いかに格好良くサーフィンをするか」を競う競技です。
波に合わせた技を繰り出していくことで0.01点から10.0点を競っていく競技になります。
ジャッジの方が4~5人ほどいるのですが、同じ技でも見る方向や角度によって見え方が違うので、単に上手いだけではなくいかに魅せるかが勝負です。
―――具体的にはどのような形で試合を行うのでしょうか。
サーフィンの場合、試合のことを1ヒートというのですが、1ヒートで2~5人ずつが海に入り、そして決められた時間内に波に乗って技を競い合うという流れになります。
採点基準となるのは「スピード、ダイナミックさ、良い波に乗っているか」ですね。
1~2位の上位者が勝ち抜いていくトーナメント方式となっていまして、いかに難易度が高く創造的な技が出来るかが最後の最後まで求められます。
―――サーフィンで一番魅力と感じるのはどこでしょうか。
毎回表情が違う波に、いかに対応して技を決めるかということです。
波は自然のものですので二度同じ波は来ません。
風の強さや方向、潮、気温など様々な要素によって波の状態は変わります。
波に乗りながら繰り出す技は大体10種類くらいあるのですが、波に乗ってから「さあ、どの技を出すか。」ではなく、波の変化に自然と身体が反応するように技を繰り出していく必要がありまして、これがとても難しいのですが魅力の一つでもあります。
―――自然と身体が動くほど波になれる必要があるわけですね。
そうです。波に乗ってからコンマ何秒で変化し続ける波に自分の技を合わせていく、その一瞬一瞬の判断がサーフィンにはとても大事になってきます。波に乗る時間は10秒あったら長い方なのですが、その10秒の中に自分の普段のトレーニングを凝縮しなければいけない、と考えると濃密な10秒になることが分かると思います。
―――そう考えると濃密な10秒ですね。試合で他に大事な事は何かありそうでしょう。
運ですね(笑)
―――意外な答えです(笑)具体的にどういうことでしょう?
運は冗談のようで結構大事な要素で、さっきも言いましたが波は自然によるものです。
ということは試合規定時間内に良い波が来なかったらそもそも技を出すことすら出来ないということになるんです。良くも悪くも大どんでん返しがたまに起こるのがサーフィンの世界ですね。
競技との出会い
―――軽部選手は幼少の頃からサーフィンに触れて育ってきたのでしょうか?
いえ、実はサーフィンを始めたのは中学一年生からなんです。それまでは昔からサッカーをしていて、それこそプロを目指してJリーグの下部組織のクラブチームに入団もしていました。
しかし、中学に入ってから試合に出れなくなり、ふと実家がサーフィンショップということもあり、「サーフィンをしてみよう。」と思ったんです。
そうしたら思ったより結構乗れまして、その時の景気や風が気持ちよかったというのもありますが、「あれ、これ俺プロになれるんじゃね?」と思ったんです。
今思えば子どもながらによく乗れただけであって、天性のようなものがあったわけでなかったんですが、なぜだがプロになろうと思ったんです。
―――周りの大人に褒められて嬉しかったからというのも理由にあるんじゃないですか?
それが、少しは褒められましたが絶賛というほどでもなかったんです。
―――誰かに言われた言葉に影響されて上やプロを目指したんではなく、自分が自然と発心をしてプロを目指した、これは誇りに思っていいことですね!
サーフィンを始めたのは遅かったかもしれませんが、競技と接してからプロを目指そうとした早さでは業界随一ですね(笑)
競技に掛ける想い
中学一年生から競技を始めたとなると、同年代の周りとはかなりレベルが開いていたんでないでしょうか。
そうなんです。なので、毎日毎日練習の日々でした。太陽が上がっている時はほぼ一日中海の中にいた記憶です。
―――それはしんどいですね。学校生活との両立は大丈夫でしたか?
「ギリギリ卒業できた」という意味ではある意味大丈夫でした。
文武両道で勉学にも一生懸命に、は理想ですが競技で周りに追いつくため、追い抜いていくためにはやはり絶対的な練習量が必要で、学校を休んで練習をしていました。
―――両親はなんと仰っていましたか?
両親からは「お前が決める道なんだから好きに頑張れ。」と学校に行かずに練習をする事にはある程度理解がありました。結局、中学校は出席日数ギリギリで卒業をしましたが、高校や大学には行かず、プロになることだけに焦点を当てて練習の6年間を送っていました。
―――15歳で自分の生きる道を決めて行動する。中々出来ることではありません。
正式にプロになったのは2021年ということなので、6年間の成果が実ったわけですね。
おめでとうございます。
目標は
―――今後の目標をお聞かせください。
今後の目標はまずは日本ランキングで一桁台を獲ることです。日本シリーズは全6、7戦ほどありまして、去年2022年は56位という成績でした。
56位は全体の半分ほどになりますが、自分が今まで戦ってきたアマチュアとプロでは少しルールが違うところもあり、そこを今年はいかに克服していくかという課題となりそうです。
―――アマチュアからプロとなり、変わった意識はあるでしょうか。
パフォーマンスを上げるために自分に何が出来るかをより考えるようになりました。
海のトレーニングより陸のトレーニングを重視したり、減量に力を入れたりと、身体と相談しながら試行錯誤の毎日です。
前は65kgあった体重を58kgまで絞ることもしましたし、58kgという体重でも前と同じような出力が出せるようにクリーンな食事にする、など気を付けられるところはわりとアンテナを張っています。
今は日本ランキングで一桁入りが目標ですが、ゆくゆくは日本ランキング1位となるために日々頑張ります!
そして、日本ランキング1位となった暁には海外戦にも進出し、日本の選手が強い事を世界に知らしめていきます!
目指す将来
―――選手で結果を残すこと以外に何か目標はあるでしょうか。
自身が開くサーフィン教室を更に大きくしていくことです。
今は地元千葉の一宮周辺にて教室を開いており、マンツーマンの指導をしております。
レッスンを受ける条件などは特に無いので、サーフィンに興味がある方は是非お気軽に受講して頂けたらと思います。
サーフィンは自主練習だけでもある程度までは上手くなることが出来ますが、教わることによって上達スピードは格段に上がります。
今まで沢山の受講生から「もっと早く受講すればよかった。」という声をもらっており、海でのルールやマナーを学ぶといった点からも、早めにプロからの指導受けることをオススメします。
―――自身のサーフィン教室の強みは何でしょう?
動画撮影を取り入れている点ですね。動画撮影をすることで実際に自分の動きの見て頂けます。自分の目で見て動きを比較することによって、習得もより早くなります。
また、自分はその人の個性に合わせた指導をするのが得意で、その人に合わせた指導や身体の使い方を教えるので、上達まで最短ルートでもっていける自信があります。
サーフィン検定に挑戦したい方、大会の出場を考えている方、また趣味で上達したい方も是非受講して頂けたらと思います。
―――今の課題は何かあるでしょうか。
国内転戦のための遠征費を賄えるようにするまで教室を繁盛させることですね。
サーフィン活動は思ったより費用が掛かり、レースの参加費だけで40,000円、登録費で40,000円、更新費で40,000円、国内転戦中は他県への移動や宿泊費、またサーフィンボードも交換費で年間100万前後は掛けたいのが現状です。
多くの支援者のおかげで何とか競技は続けられておりますが、自身の教室で補填できるようにこれからも頑張っていけたらと思います。
自身の教室の魅力を上げるためにも、まずは国内大会でしっかりと上位の成績を修めていけるようにこれからも頑張ります!
軽部太氣選手の魅力
高校や大学に進学せずにサーフィンに全てを捧げた漢、軽部太氣選手。
その心意気や素晴らしいものを感じました。プロになることを目標にひたすら努力をした6年間、去年初出場の国内戦はやや力不足を感じる結果であったようですが、持ち前の根性を活かして今後の更なる成長を期待したいところです!
軽部大氣選手プロフィールFind-FCへ