アメリカのプロリーグに挑戦するために、現在男子チームに所属し、フリーソフトボーラーとして活動している本庄遥です。
サッカーといえばJリーグが思いつく方が多いのではないでしょうか?
今回のピックアップアスリートは、一風変わったルートからプロサッカー選手を続けている方です。
サッカー選手の方の中でも、今後の進路に迷われている方がおられましたら、非常に参考になる先駆者です。
是非ご一読ください!!
今回のピックアップアスリート
競技実績
■ 東京ヴェルディJrユース、ヴェルディユース
■ 中学時代には全国大会優勝 2回
■ 国士舘大学サッカー部
■ 日本人初大卒タイリーガー (2012)
■ 日本人初タイリーグ得点王獲得(ディビジョン2・2015)
■ 年間ベストイレブン受賞(ディビジョン2・2015)
■ オーストラリアリーグ得点ランキング2位(NPL1・2017)
■ 海外通算50得点(93試合)
■ インド パンジャブ州リーグ 得点王獲得
■ 雑誌「アジアフットボール批評」にて6ページの特集。『アジア育ちの点取り屋』と称される。
■ 雑誌Number(ウェブ版)に取材をされYahooニュースにも取り上げられる。
競技を始めたきっかけ
ーーー久保木さん、本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
ーーーまず初めに、久保木さんご自身経歴について簡単に教えてください。
僕がサッカーを始めたのは、幼稚園児のときです。
その頃ちょうどJリーグが始まって、日本のサッカーが盛り上がっているときでした。
中学生になるとき、より良い環境でできる「東京ヴェディ」というチームに入れました。
ーーーその頃からプロサッカー選手になりたいという夢はありましたか?
ありましたね。
ジュニアユースやユースって、プロサッカー選手を間近で見れる環境なんです。
プロサッカー選手になりたいと思うのは、非常に自然な流れだったと思います。
何で海外に行こうと思ったのか
ーーー久保木さんの活動実績を見てみると、大学卒業後すぐに海外でプレーされていることがわかります。なぜ、海外に行こうと思ったのでしょうか?
高校卒業したタイミングでJリーガーになることができなかったんです。
そこから、サッカーを続けるために国士舘大学に進学。
大学で4年間で一度も公式戦に出場する機会もなく、Jリーグから一切声がかからなかったんです。
ーーーJリーガーになる方法は、スカウトという方法しかないのでしょうか?
基本的にはスカウトですね。
学校とJリーグの繋がりがあれば、練習参加をさせてもらえて、そこで声をかけてもらうことはあります。
しかし、僕自身大学で公式戦に一度も出られなかったので、機会もなかったですね。
ーーー日本で活動するという選択肢はなかったのでしょうか?
大学卒業後の進路は2つでした。
当時三部だったJ3のチームで、サッカー選手兼仕事をしながら活動する道。
海外プロサッカー選手に挑戦する道。
この2つの選択肢で迷ったとき、僕は後者に魅力を感じました。
タイのプロリーガーへ
ーーー最近では、サッカー留学に特化したエージェントが増えてきているように感じます。久保木さんが初めて海外に行ったときもサッカーの情報は十分あったのでしょうか?
ほとんど情報はありませんでしたね。
ーーーそれでもあえて海外に挑戦しようと思ったのはなぜですか?
進路に悩んでいるとき、恩師に相談すると「プロになりたいんだったら海外に挑戦したら?」と言ってくれてたことがきっかけです。
恩師がタイと繋がりがあったので、タイのプロリーグに挑戦することが決まりました。
ーーー情報がなく、言語の壁があったと思うのですがそのあたりはどうやってクリアしましたか?
まずは、日本語のできるタイ人にサポートをしてもらいました。
今はサッカー留学のためのエージェントも増えてきていますが、当時はいなくてかなり大変でしたね。
ーーータイには5年間滞在されていますが、ビザなどの滞在するためのトラブルはありませんでしたか?
ビザは観光ビザで入ったりしながら、日本とタイを行ったり来たりしていましたね。
実質サッカーをしたのは3年間で…その間にいろいろトラブルがありました。笑
ーーートラブルですか?
はい。
一年目に契約したところは不当解雇になってしまい、チームがなくなってしまったんです。
絶望の中、日本に一時帰国してアルバイトをしながら次のシーズンにかけてトレーニングをしました。
2年目には、1年目に知り合った現地の知り合いに助けてもらいながら、次のチームを見つけることができました。
このときは、それなりに結果を残すことができて、3チーム目を契約することができました。
しかし、開幕戦の1分前に前十字靭帯断裂してしまったんです…。
ーーー開幕戦の1分前ですか?!かなりタイミングが悪かったんですね…。
そうなんです。
その後、試合に出られない日が続き、1年間をリハビリに費やしました。
1年目は日本人初の大卒プロタイリーガー、そしてこの年は日本人初タイリーグ得点王を獲得することができました。
日本人初の大卒プロタイリーガー、そしてタイリーグ得点王を獲得することができました。
ーーー日本人初でプロタイリーガーになり、さらにタイリーグ得点王を獲得されたんですね!5年目はどんな年でしたか?
5年目は、その前の年に得点王になれたので、もう1つ上のカテゴリーに移籍することができました。
しかし、またもや事件が。
開幕戦の前日に監督が変わり、不当解雇されてしまったんです。
ーーー怒涛の日々を送られていたんですね…。2回の不当解雇をされてもタイでサッカーをし続けたのでしょうか?
5年目は別のチームを見つけて、1年間なんとかプレーをしました。
しかし、これだけ不当解雇もあったので、なんだか環境的に自分に見合っていない気がしてきたので、別の国に行くことを決めました。
オーストラリアへの新たなサッカー人生へ
ーーータイの後はどこの国でプレーされましたか?
大学の同級生がオーストラリアで活躍しているのを知っていたので、すぐに連絡しました。
そこからオーストラリアのチームに移籍。
タイでも活躍することができましたし、きっと活躍できると確信がありました。
ーーータイでご活躍されたことが自信に繋がったんですね!
オーストラリアでもリーグ得点ランキング2位になることができました。
しかし、1位が日本人だったので悔しかったですね。
オーストラリアでは、サッカーがそのまま仕事になっていて、サッカー選手としていい生活ができていたと思います。
ーーーオーストラリアには、あまり長く滞在されていませんが、それはなぜでしょうか?
一番はセミプロリーグだったからですね。
プロサッカー選手としてやっていきたい気持ちが強く、物足りなさがありました。
ーーー具体的にはどのようなことが物足りなかったのでしょうか?
ピッチの上に立っていても、サポーターがいなかったり、人工芝の上でやっている寂しさがありました。
日本の大学リーグの延長みたいな感じだったんですよね。
この国で活躍しても上のカテゴリーには行けないと感じたので、2017年の10月には帰国しました。
さらなる挑戦へ
ーーー帰国後は日本で活動されているのでしょうか?
2018年2月にウズベキスタンでトライアウトを受けてたのですが…合格することはできませんでした。
その後、2018年の7月にインド パンジャブ州リーグへ飛び立ち、 得点王獲得することができました。
競技の魅力
ーーーかなりたくさんの国々でご活躍されているので、国内のサッカー選手とは違った視点を持たれているかと思います。久保木さんが思うサッカーの魅力を教えてください!
サッカーは何と言っても、点を取った瞬間の喜びだと思います。
ピッチの中で、点が決まるとサポーターたちと一緒にその喜びを感じることができるあの瞬間が堪りません。
脳内麻薬がドバッと出る感じ。
そこが魅力だと思っています。
現在の活動の中での問題点
ーーー今回、Find-FCにご登録された理由を含め、現在の活動の中での問題点を教えてください。
まずは、海外でプレーするからとてつもない費用がかかることですね。
Find-FCの中にも、海外でサッカーをしている選手もあまり多くないのでチャンスだと思っています。
「海外で活躍するプロサッカー選手」に対してスポンサー契約を結ぶことが当たり前になれば、未来のサッカー選手もかなり幅が広がります。
スポンサー契約自体の認知度を上げていき、私以外の海外サッカー選手たちにも知ってもらえたらと思います。
企業様へのアピールポイント
ーーー久保木さんのスポンサーになる場合、企業に対してどのようなメリットがありますか?
まず、サッカーの人口が多いので、海外サッカー選手といった面で注目を浴びることができると思います。
海外で活動していることが最大の強みかと思います。
これから親日国にも足を運ぶ予定なので、そういった国に宣伝したいものがあれば現地でつながりを作っていけると思います。
企業の方と一緒に考えていきたいですね。
今後の目標
ーーー最後に今後の目標を教えてください。
選手としての目標は、海外通算101点取ることです。
私の中での目標を持っていて、それが「常に101%の力を出すこと」なんです。
ーーーなぜ100%ではなく、101%なのでしょうか?
100%で頑張るのって当たり前だと思うんですよね。
ですが、110%とか120%って結構難しかったりイメージが湧きにくいです。
100%頑張る上で、何事もあと1%頑張るという気持ちを持って戦っています。
なので、その気持ちも重ねて、最終的には101点を目標にしてまいます。
その過程として、他の国でも得点王を取りたいですし、国際大会にも出場したいです。
誰かと比較ぜず、自分のなりたい姿を追いかけることでカッコいいと思われるような人になることが目標ですね。
ーーー日本のJリーグでやりたい気持ちはありますか?
今のレベルだと、日本から評価してもらうことが難しいですね。
一度海外に出た瞬間から、日本より高いレベルで活躍していることが評価されない限りは難しいと思います。
さらに、今前十字靭帯、またやってしまったので…。
一刻も早く選手として復帰して、また海外に飛び立ちたいですね。
ーーー怪我の治療に専念されるということですね。
そうですね。
今年は日本にいるので、海外サッカー選手の存在を広められるように活動します。
交流イベントや講演会、セミナーを企画しています。
たくさんのサッカー選手たちに、「海外でも活躍できる道があるんだ」ということを知ってもらえたらと思います。
アスリートライターから見た久保木さんの魅力
久保木さんの魅力は、逆境にも負けない強い精神力です。
私たち海外で活動するアスリートにとって、思いがけないアクシデントはつきもの。
その中でも、決して夢を諦めず戦い抜く久保木さんには非常に感銘を受けました。
今後彼の海外プロサッカー選手としての活躍に注目です!