皆さんこんにちは! 現在オーストラリア・メルボルンで競技チアリーディング選手兼コーチとして活動中の笠原園花です。
さて、「スラックライン」という競技を聞いたことはありますか? 数十年前にアメリカで発祥したといわれるこの競技。まずは下の動画をご覧ください。
いかがですか? まさにサーカス団のような、シルクドソレイユのような、そんなアクロバティックな動きをしています。この競技を日本で行い、選手として活動しながら競技普及にも熱心な松本礼(まつもとれい)さんにお話を伺ってきました。
スラックラインをはじめたきっかけは? スラックラインの魅力とは? 松本さんの熱い思いに迫りました。
松本さんの自己紹介
1986年長崎県出身。幼少期からさまざまなスポーツを経験してきた。小学校では器械体操、中学校では陸上、高校ではロッククライミングも経験し、大学ではブレイクダンスを行った。たしかに、アクロバティックな動きが含まれる競技を多く経験している。ロッククライミングでは国体強化選手に選出させるほどの実力があったほどだ。そして、スラックラインに出会ったのは社会人になってからだ。このスラックラインとの出会いがのちに人生を180度変えることとなる。
スラックラインとの出会い
社会人になってからある日、トランポリンをしようとトランポリンを持つ方の自宅に伺った。トランポリンの脇に張ってあった一本のライン。そう、まさにこれが「スラックライン」だったのだ。
試しにラインの上で遊んでみると、楽しい。さらに、タイミングがいいことに、スラックラインを使った動画コンテストが行われるということだった。
スラックライン関連の商品を扱う大手ブランド「GIBBON(ギボン)」が主催する世界規模のコンテストだ。2~3か月にわたり、毎週お題が出されこなしていく。こなすためには練習が必要だ。それも一週間以内に提出という非常にタイトなスケジュール。
動画コンテストへの参加を即決した後は、ほぼ毎日練習。自宅付近の川沿いにあった木と木の間にラインを張り自主練。道行く人に珍しい目で見られるのは日常茶飯事だ。こうして数か月間、会社員としてフルタイムで働きながら身を粉にして練習した結果、世界中の応募者が脱落していく中、自身は終盤まで残ることができた。
会社員生活とスラックライン
当時は大手IT企業に勤め、ウェブサイト製作チームに所属していた。一日のほとんどをパソコン作業に費やす日々だった。納期が近づくと毎日のように終電で帰宅するなど多忙な平日を送っていた。週末は6~7時間練習をしたり、イベントでパフォーマンスをしたり。精神的、体力的に厳しい日々が続いた。
転機が訪れたのは自身が30歳になったときだ。「このまま一生サラリーマンを続けるのか?人生一度くらい冒険してもいいのではないか?」と考え始め、会社員という肩書を捨てた。
とはいえ、思いつきでやめたわけではない。奥さんや子供の生活を守るためには収入も必要だ。そのために、自身の得意なウェブサイト製作技術を生かし、スラックライン用品を販売するオンラインショップを自ら立ち上げたりもした。
オリジナルのオンラインショップサイト「RENY」
会社員を辞めてまでスラックラインにかける思い
細いひもの上で人が立って技を繰り広げるー。スラックラインは見る人を魅了することのできるパフォーマンス競技だが、魅力はそれだけではない。スポーツ競技者が体幹を鍛えることもできるし、メンタルトレーニングにも使うことも可能だ。怪我した後のリハビリにも効果的。医学的にも証明されており、整形外科や整骨院でスラックラインが推奨されていることもある。さらに、木が2本さえあればどこでも始められるという手軽さもある。競技としてのみならず様々な場面で使えるスラックライン。だからこそ日本中にもっと広めていきたいという思いがある。
日本での認知度を上げるために、全国各地でパフォーマンスを行ったりと精力的に活動している。2018年にはソラカケルというアスレチック施設にて「スラックラインパーク神戸」というスラックライン専用エリアの立ち上げをプロデュースした。現在においては、京都の市町村と連携しながらスラックラインができる公園のプロジェクトも進めている。スラックラインが人生そのものだ。
メディア出演歴
2015年に産経新聞スポーツコラムでスラックラインが紹介されたのを皮切りに、各メディアからも引っ張りだこだ。
2017年12月 EO光 生放送番組「ゲツキン」
2018年3月~9月 VISAカード「NEW NORMAL」スラックライン編全国放送
2018年8月17日 NHK BSプレミアム「ザ少年倶楽部PREMIUM」にてNEWS、HeySayJumpと共演。
2018年 SASUKE 出場
2019年3月 舞台energy出演(歩行上頭、ボクシングダンス等)
今後の目標は
今後は、スラックラインの競技人口を増やし、オリンピック競技にするという夢がある。現在日本での競技者は約4万人強といわている。また、日本は世界でも強豪といわれ世界大会でもたびたび日本人が王者に輝いている。オリンピック競技になれば日本から金メダリストが誕生する可能性も高い。夢は膨らむばかりだ-。