
終わりなき挑戦へ。世界へ挑む7人の侍 ― Big’s Backyard Ultra Individual World Championship2025 世界選手権日本代表特集
1時間に6.706km——。
与えられたのは「時間」と「己の限界」だけ。
世界中のウルトラランナーが、最後のひとりになるまで走り続ける「バックヤードウルトラ」。
2025年10月18日、米国テネシー州・Bell Buckleで開催される「Backyard Ultra World Individual Championship」に、日本から7名のランナーが挑む。
“終わりなきレース”に挑む彼らの顔ぶれと、その先に見据えるものとは。
大会概要
■ 大会名
Backyard Ultra 2025 World Individual Championship(世界個人選手権)
■ 開催地・日程
- 開催地:Big Dog’s Backyard(アメリカ・テネシー州 Bell Buckle)
- 開催日:2025年10月18日 スタート予定
■ レース形式
- 毎時間スタートする1周6.706km(=1 yard)を制限時間内に走破。
- 走り終えた残り時間は休息・補給に充て、1時間ごとに再スタート。
- 最後のひとりが残るまで続く“終わりなき戦い”。
勝者はただ一人。
「何時間」「何キロ」という基準ではなく、“誰が最後まで立っているか”を競う異次元の耐久レースだ。
日本代表選手一覧
選手名 | 区分 | 記録(yard) | 出場資格 | 開催地 |
---|---|---|---|---|
森下 輝宝(Terumichi Morishita) | At-Large | 101 | Big Dog’s Backyard Ultra 2023 | アメリカ |
水野倫太郎(Michitaro Mizuno) | At-Large | 94 | Dead Cow Gully Backyard Ultra | オーストラリア |
川畑 和宏(Kazuhiro Kawahata) | National Champion | 92 | World Team Championship 2024 | 日本 |
平田 時正(Tokimasa Hirata) | At-Large | 91 | World Team Championship 2024 | 日本 |
前田 明宏(Akihiro Maeda) | At-Large | 83 | Big Dog’s Backyard Ultra 2023 | アメリカ |
田中 実(Minoru Tanaka) | At-Large | 81 | World Team Championship 2024 | 日本 |
小松 浩人(Hiroto Komatsu) | At-Large | 75 | Dead Cow Gully Backyard Ultra | オーストラリア |
7人の侍 ― それぞれの強み
- 森下 輝宝(101yard)
2023年Big Dog’s本戦で世界屈指の粘りを見せた日本人トップランナー。精神力と安定したペースメイクは世界でも評価が高い。 - 水野倫太郎(94yard)
オーストラリア「Dead Cow Gully」で自己ベストを更新。豪州のトップランナーと並走し続けた姿勢は世界の注目を集めた。 - 川畑 和宏(92yard)
2024年のサテライト世界選手権でラストマンとなり、日本ナショナルチャンピオン。川畑選手は、バックヤードウルトラおよび100mile級のウルトラトレイル系の競技において、粘り強さと安定感を武器とする選手。 - 平田 時正(91yard)
2024年サテライト世界選手権でも安定した走りを見せた技巧派。淡々と刻むリズム走が持ち味で、夜間の粘り強さに定評。 - 前田 明宏(83yard)
世界の舞台を複数回経験しており、レースマネジメント力が高い。静かな闘志で長時間戦う職人肌ランナー。 - 田中 実(81yard)
国内外のレースで安定した結果を残す堅実派。精神的タフネスが武器で、極限下での判断力にも定評。 - 小松 浩人(75yard)
2025年豪州大会での快走で世界個人戦に滑り込んだ新鋭。国内チームのムードメーカーとしても存在感を放つ。世界との戦いへ ― 見どころ
- 「100yard」ラインをめぐる頂上決戦
世界王者フィル・ゴア(豪/119yard)、サム・ハーベイ(NZ/118yard)らに、日本勢がどこまで食らいつけるか。 - “静の戦い”の中の“熱”
派手さはないが、1時間ごとのリズム、夜明けの集中力、精神の均衡が問われる“耐久の芸術”。
その中で日本人特有の粘りと規律が光る。 - 次世代へつなぐ挑戦
「バックヤード文化」を日本各地に広げてきた平田や田中などの背中を、新生や若い世代が追いかける構図にも注目。
まとめ
「ゴールのないレース」だからこそ、真価が問われる。
限界を超えるのではなく、限界を“更新し続ける”という哲学。
2025年10月。
世界中のランナーが集うテネシーの“裏庭”で、
日本の7人が、またひとつ伝説を刻む。
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