
企業ほ本当にスポーツ支援したいのか?ー最新調査で見るスポンサー動向と獲得戦略
「スポンサーは見つかるのか?」と不安になるとき、まず知っておきたいのが“企業側の温度感”です。実は、企業のスポーツ支援は「やりたい企業は一定数いる」一方で、「窓口が分からない・情報が足りない・社内説明が難しい」といった理由で止まってしまうケースが多いことが、複数の調査・レポートから見えてきます。
本記事では、(1)企業がスポーツ/アスリート支援に関心を持つ割合や背景、(2)企業が求める支援の形、(3)アスリート側が“スポンサー獲得確率を上げる”ための設計図――を、調査結果を踏まえて整理します。
まず結論:企業は「関心はある」。ただし“動けない理由”がある
古くから引用されている日本スポーツ振興センター(JSC)関連の企業調査では、「アスリート支援に関心がある」と回答した企業が一定数いること、そして課題として「支援の窓口が明確でない/情報提供が不足している」といった声が多いことが示されています。
その後の調査(上場企業等を対象にしたNRIのアンケートなど)でも、企業のスポーツ支援は“ゼロではない”どころか、コロナ禍や東京2020後を経て支援の考え方・目的が変化しながら続いていることが読み取れます。
データで見る:企業がスポーツ支援に関心を持つ背景
(参考)「関心はあるが接点がない」企業が多い
JSC関連調査として広く引用されている情報では、スポーツ選手との接点がない/支援実績がない企業が多い一方で、アスリート支援に関心を示す企業が一定割合いること、さらに「どこに相談すればいいか分からない」という“入口の問題”が大きいことが示唆されています。
NRI調査:企業のスポーツ支援は「目的」と「設計」が変わってきている
野村総合研究所(NRI)は、企業のスポーツ支援の実態を把握するためのアンケートを実施し、支援の方法・目的・費用・対象競技などを整理しています。企業のスポーツ支援は、広告・PR一辺倒ではなく、社員の一体感、社内外コミュニケーション、地域貢献、人材戦略など、複数目的の“ミックス型”で語られることが増えています。
JOC「アスナビ」企業調査:企業が感じた“効果”が可視化されている
スポンサー(広告)とは少し違う文脈ですが、JOCの「アスナビ」採用企業向け調査では、アスリート社員を採用した企業が「社員の一体感」「企業イメージ向上」などの効果を実感していることが示されています。企業側が“スポーツ/アスリートと関わる価値”をどう捉えているかの参考になります。
企業が支援を判断するときの“社内ロジック”を理解しておく
企業は「広告・PR」だけで意思決定していない
- 対外的価値:認知拡大、信頼醸成、地域での好感、取引先との関係強化
- 対内的価値:社員の一体感、採用広報、健康経営、モチベーション向上
- 社会的価値:地域貢献、次世代育成、ダイバーシティ推進(障がい者スポーツ等)
支援が止まる“3つの壁”
- 窓口不明:誰に相談すればいいか分からない(競技団体?選手?代理店?)
- 成果不明:何をどれくらい返してもらえるのか設計しにくい(KPIが曖昧)
- 説明不明:社内稟議で通すための資料・契約・リスク管理が整っていない
スポンサー獲得の戦略:調査結果から逆算する“勝ち筋”
ステップ1:企業が欲しい「価値」を3種類に整理して提案する
提案書(または初回面談)では、最初から「いくらください」ではなく、企業が社内で説明しやすい価値に翻訳します。
- 広告価値:露出・認知・想起(ロゴ、SNS、メディア掲載、イベント)
- 採用・社内価値:社員向けイベント、講演、社内報、健康施策
- 地域・社会価値:地元活動、学校訪問、地域イベント連携
ステップ2:支援メニューを“3段階”にして入口を広げる
- ライト:月額・年額の小口支援(SNS/イベント参加など中心)
- スタンダード:ロゴ掲出+定期レポート+年数回施策
- プレミアム:共同企画(商品・採用・地域施策)まで踏み込む
ステップ3:成果が読みづらい領域は「インセンティブ設計」で誠実に
メディア露出や大会成績など、約束しにくい要素は“固定+成果連動”にして、企業の不安(成果不明)を減らします。更新時に評価される指標(SNS伸長、露出件数、イベント実施回数、問い合わせ数など)を、最初に合意しておくと強いです。
Find-FCを通すメリット:企業の「動けない理由」を減らす
企業が支援を検討するときに詰まりやすいのは、「何を契約し、どんなリスクを避け、どう継続設計するか」です。こうした“入口の摩擦”を減らすために、第三者を挟む形(登録制のプラットフォームや運営事務局)が機能します。
企業側の安心材料になりやすいポイント
- 窓口が明確:問い合わせ先・進行担当がはっきりする
- 契約の型がある:条件整理、契約書、権利・義務、反社・肖像権などの基本設計
- 運用が回る:活動報告テンプレ、スポンサー向けレポート、更新判断の材料が揃う
アスリート側のメリット
- 提案が通りやすい:企業が社内説明しやすい形に整う
- 継続しやすい:年次更新の“評価軸”が設計される
- トラブルを予防:口約束・認識違い・炎上対応などのリスクを抑えやすい
まとめ:スポンサー探しは「企業の関心 × 入口設計」で勝率が上がる
企業はスポーツ支援に“無関心”とは限りません。むしろ、関心があっても「窓口不明・成果不明・説明不明」で止まっているケースが多いのが現実です。だからこそ、アスリート側は「企業が動ける形」に翻訳して提案し、継続設計まで含めた“仕組み”を用意することが、最短距離になります。
次回は、実際にスポンサー提案書を作るときの「1枚目で刺さる構成(テンプレ)」と、「企業タイプ別(地域企業/中堅/全国企業)に刺さる切り口」を、より実務寄りに解説していきます。
情報ソース
野村総合研究所(NRI)「企業におけるスポーツ支援の実態把握に関するアンケート結果(2020年3月)」
NRI JOURNAL(NRI)「アフターコロナ、アフター東京オリンピック・パラリンピックの企業のスポーツ支援――アンケート調査から見える支援のあり方」
日本オリンピック委員会(JOC)「第7回『アスナビ』意識調査<企業編>(2024年4月公表)」
(補助)JSC調査の存在と参照元リンクの記載がある学術論文(J-STAGE)
(補助)JSC調査の数値(“43%が関心”等)を引用している資料(原典への言及あり
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