編集長コラム

アスカツ編集長が綴るオピニオン&視点記事を集めたカテゴリーです。競技者としての日々、支援のリアル、業界の潮流、キャリア観、社会とのかかわりなど、現場目線と未来志向を交えた考察をお届けします。競技力だけではなく競技者として・人としての思考や気づきを深めたい方におすすめです。

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【編集長コラム】人様が汗水垂らして稼いできた資産を使わせて頂くということとは?

私は、Find-FCというアスリート支援プラットフォームを立ち上げてから、約9年間、運営責任者として現場に立ち続けてきました。
同時に、アスリートの現実と向き合うメディア「アスカツ」の編集長として、数多くの声や葛藤にも触れてきました。

競技の最前線に立つアスリート、支援を決断するスポンサー企業、そしてその両者をつなぐ立場。
そのすべてを見てきたからこそ、どうしても伝えておかなければならないことがあります。

それが、
「人様が汗水垂らして稼いできた資産を使わせて頂く」という行為の重さです。

「支援を受ける」という言葉の裏側

スポンサー、支援者、投資家。
呼び方は違えど、私が9年間一貫して見てきた共通点があります。

それは、
誰一人として「軽い気持ち」で資産を出している人はいないという事実です。

スポンサー料は、余っていたお金ではありません。

  • 早朝から夜遅くまで働いた対価
  • 事業としてリスクを背負った経営判断の結果
  • 社員や家族、取引先を守るために積み上げてきた資産

そうした背景を持つ資産の一部が、
「このアスリートなら」「この挑戦なら」と判断され、託されています。

この前提を理解しないまま支援を受け取ってしまうと、
支援はいつの間にか“当然のもの”に変わってしまいます。

スポンサー資金は「自分のお金」ではない

Find-FCを運営していると、アスリートとの会話の中で、ふとした違和感を覚える瞬間があります。

「スポンサーがついたので、これで競技に集中できます」
「支援金があるので、挑戦できます」

言葉としては間違っていません。
ただ、9年間多くのケースを見てきて思うのは、
その言葉の奥にある認識がズレた瞬間から、関係性が歪み始めるということです。

スポンサー資金は、
自分のためだけに自由に使っていいお金ではありません
正確に言えば、期待と責任を背負って一時的に預けられた資産です。

そこには必ず、

  • どんな姿勢で競技と向き合うのか
  • どんな行動を日常で積み重ねるのか
  • 誰に、どのような形で価値を返すのか

という視点が含まれています。

結果が出ない時こそ、見られている

Find-FCの運営をしていると、結果が出ない時期のアスリートと向き合う場面も数多くあります。
それ自体は、決して悪いことではありません。競技には波があり、うまくいかない時期があるのは当然です。

しかし、9年間で強く実感していることがあります。

支援者が本当に見ているのは、結果が出ていない時の姿勢です。

  • 連絡や報告が雑になっていないか
  • 感謝の言葉が形式的になっていないか
  • 人への態度や言動が変わっていないか

資産の使い道よりも、
その人がどんな姿勢で日々を過ごしているかが見られています。

金額の大小ではない

100万円のスポンサー料も、1万円の支援金も、重みは同じです。
9年間、大小さまざまな支援を見てきましたが、そこに軽いものは一つもありません。

1万円であっても、それは誰かの「労働」「決断」「覚悟」の結晶です。
金額に慣れた瞬間、人は無意識に雑になります。

これはアスリートに限らず、スポーツビジネスに関わるすべての人が陥りやすい落とし穴だと感じています。

「返す」とは、勝つことだけではない

支援に対するリターンを、「勝つこと」「結果を出すこと」だけに限定してしまうのは危険です。
もちろん結果は重要です。ただし、それが唯一の答えではありません。

  • 誠実で継続的な報告
  • 約束を守り続ける姿勢
  • 人として信頼される振る舞い
  • 次の世代につながる行動や影響

9年間の運営経験を通じて、
こうした積み重ねこそが、最も長く価値を残すリターンだと感じています。

Find-FC運営責任者として、アスカツ編集長として

私たちは、アスリートを「守る側」に回ることもあれば、
時には「耳の痛いことを伝える側」に回ることもあります。

それは、
支援される立場にある人が、その重みを理解しないまま前に進んでほしくない
という想いがあるからです。

人様が汗水垂らして稼いできた資産を使わせて頂くとは、
人生の一部を預けられるということ

それは誇るべき立場であり、同時に、極めて重たい責任でもあります。

最後に

支援を受けている人ほど、謙虚であってほしい。
結果が出ている時ほど、足元を見てほしい。

9年間、多くの出会いと別れを見てきた中で、
この姿勢を貫いたアスリートほど、長く応援され、信頼されてきました。

Find-FC運営責任者として、そしてアスカツ編集長として、
これは経験からの実感として、強く、何度でも伝えたいことです。

アスカツ編集長 吉沢協平

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