
アスリートサポートサービスはなぜ「出来ては消える」のか? 企業が直面する現実と、続く支援の条件
アスリートを支援したい。
スポーツを通じて社会に貢献したい。
そんな想いから立ち上がる
「アスリートサポートサービス」や
「アスリート支援事業」は、これまで数多く存在してきました。
しかし一方で、
数年も経たずに姿を消していくサービスが多いのも事実です。
なぜ、アスリートサポートサービスは
「出来ては消える」を繰り返してしまうのでしょうか。
本記事では、実際に停止・終了を公表した事例も踏まえながら、
現場で起きている課題と、
継続できるアスリートサポートに必要な視点を整理します。
理由①「想い先行」で事業設計が弱い
アスリートサポートで最も多いのが、
理念や想いは素晴らしいが、事業として成立していないケースです。
・夢を追うアスリートを応援したい
・才能ある若者を救いたい
・スポーツで社会を良くしたい
これらは非常に大切な動機です。
しかし、
- 収益構造が曖昧
- 誰がコストを負担するのか決まっていない
- 支援がボランティア化している
といった状態では、
サービスを長期的に続けることは困難になります。
理由② アスリートを「支援対象」としか見ていない
支援が続かないサービスに共通するのが、
アスリートを「守る存在」「助ける存在」としてのみ捉えている点です。
アスリートは確かに支援を必要とする存在ですが、同時に
- 価値を生み出す存在
- 影響力を持つ存在
- 企業や社会と対等に関われる存在
でもあります。
この視点が欠けると、
一方通行の支援となり、関係性が長続きしません。
理由③ 企業側の「期待値」が整理されていない
企業がアスリート支援を始める際、
「何を得たいのか」が整理されていないケースも多く見られます。
- ブランディング
- CSR(社会貢献)
- 広告効果
- 採用
- 新規事業との連携
期待値が曖昧なままでは、
- 成果を測れない
- 社内説明ができない
- 継続判断が感覚論になる
結果として、支援は短期で終了してしまいます。
理由④ サポートが「競技期間」だけで終わっている
多くの支援サービスは、
競技をしている間だけを対象にしています。
しかし実際には、
- 競技人生は有限
- 引退後の不安が最も大きい
- 競技外の価値こそが長期的資産になる
競技期間だけの支援は、
どうしても短命になりがちです。
実際に「停止・終了」を公表したアスリートサポート事例
ここでは、公式にサービス停止・終了を公表している事例を、
学びの視点で整理します。
① アスリートエール(Athlete Yell)
アスリート個人を支援するクラウド型サービスとして注目を集めましたが、
現在はサービス終了が公表されています。
継続的なマネタイズや、
支援の偏りといった課題が浮き彫りになりました。
② ALE JAPAN(アレジャパン)のアスリート支援事業
企業主導で展開されたアスリート支援プロジェクトでしたが、
事業としての継続には至りませんでした。
本業とのシナジー創出の難しさは、
企業型支援の典型的な課題と言えます。
③ マイナビ アスリートキャリア(旧サービス)
大手人材企業によるアスリート向けキャリア支援サービスも、
当初の形での運用は終了しています。
一般人材モデルをそのままアスリートに当てはめる難しさが見えた事例です。
④ 期間限定・CSR主導の支援プロジェクト
担当者異動や方針転換をきっかけに、
数年で終了した企業支援プロジェクトは数多く存在します。
⑤ マッチング特化型アスリート支援サービス
契約後のフォローや関係設計が不十分な場合、
サービスは定着せず停止に至るケースがあります。
それでも「続く」アスリートサポートの共通点
- アスリートをパートナーとして扱っている
- 企業・アスリート双方にメリットがある
- 競技外の価値まで含めて関係を設計している
- 中長期視点で取り組んでいる
アスリートサポートに必要なのは「覚悟と設計」
アスリートサポートは、
「良いことをしている」だけでは続きません。
感情だけで始めるのではなく、
- 構造をつくる
- 価値を言語化する
- 対等な関係を築く
ことが必要です。
アスリートサポートは、
一時的な取り組みではなく、
文化として育てていくもの。
「出来ては消える支援」から、
「続いていく支援」へ。
今、改めてその在り方が問われています。
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