
「マイナビアスリートキャリア」サービス終了へ――背景に見る競争激化と支援の多様化
アスリート特化型キャリア支援サービスの先駆け的存在、「マイナビアスリートキャリア」が2025年9月末日をもってサービスを終了する。
長年にわたり、現役・元アスリートに対する転職・就職支援を行ってきた同サービスの終了は、スポーツキャリア支援業界に大きな波紋を広げている。
『マイナビアスリートキャリア』サービス概要
サービス名:マイナビアスリートキャリア
運営会社:株式会社マイナビ
【サービスの目的】
『マイナビアスリートキャリア』は、現役アスリートや引退後の元アスリートを対象にしたキャリア支援サービスです。スポーツに打ち込んできた人々のセカンドキャリアをサポートし、競技経験を活かせる仕事探しやキャリア形成を後押しすることを目的としています。
【主なサービス内容】
- アスリート専門のキャリアカウンセリング
経験豊富なキャリアアドバイザーが、競技歴や希望条件に合わせた転職・就職の相談に対応。 - 求人紹介(正社員・契約社員など)
スポーツ経験を評価する企業とのマッチングを実施。営業、販売、教育、スポーツ関連職など幅広い職種を紹介。 - 自己分析・面接対策支援
アスリートならではの強みを活かした自己PRや、未経験職種へのチャレンジに向けた面接サポート。 - セミナー・イベント開催
アスリート向けのキャリアセミナーや企業説明会、業界研究イベントなども随時開催。
【対象者】
- 現役の競技アスリート(引退を考えている選手を含む)
- 引退後の元アスリート(社会人・学生問わず)
※競技レベルやジャンルは不問(プロ・アマ問わず対応)
【特徴】
- スポーツの実績や経験を「強み」として捉える企業との連携
- アスリート特化型だからこその理解とサポート
- マイナビの広いネットワークを活かした多様な選択肢の提供
サービス終了の主な原因
1. 市場の成熟と競争環境の変化
近年、アスリート支援市場には多様なプレイヤーが参入し、支援内容もキャリア形成だけでなく、パーソナルブランディング、スポンサー獲得、デュアルキャリア支援など多角化。
結果として、大手1社による包括的支援では対応しきれないニーズの多様性が顕在化した。
2. マイナビ全体としての事業ポートフォリオ見直し
マイナビは近年、人材領域のなかでも急成長分野への投資集中を進めており、ニッチ領域の選択と集中を進める中で、リソースの再配分が必要となったことがサービス終了の背景にあるとみられる。
3. アスリートユーザーのオンラインシフト
SNSや自己発信ツールの普及により、アスリート自身がキャリア機会やスポンサーを自力で獲得できる環境が整いつつある。従来型の仲介型サービスからの転換期ともいえる。
想定される影響
利用アスリートのキャリア支援の空白
現在進行中のキャリア支援や転職活動に影響が出る可能性があり、サポートの引き継ぎや代替サービスへのスムーズな移行が求められる。
アスリート支援事業者間の再編・淘汰が進む可能性
マイナビの撤退は、大手企業でもアスリート支援事業の採算性や戦略的意義が問われていることを示唆。これにより、より柔軟かつ独自性の高いサービスに支持が集まる可能性がある。
Find-FCなど代替サービスの注目度が上昇
代替サービスとして注目されるのがFind-FCのようなアスリート特化型支援プラットフォーム。単なる就職支援にとどまらず、発信・スポンサー・コミュニティ機能を兼ね備えた「自立支援型」が新たな主流となる兆しがある。
今後の展望
アスリートのキャリア支援は、引退後だけでなく、現役時代からの支援が当たり前となりつつある。
「マイナビアスリートキャリア」の終了は一つの終焉であると同時に、支援の再定義が始まる契機でもある。
新たな支援のあり方に、いま注目が集まっている。
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