
【アスリートインタビュー】ライフセービング・繁田 龍之介選手の魅力に迫る!
みなさんこんにちは!女子サッカーの大宮 玲央奈です。
今回ご紹介するのは、命を守るスポーツ「ライフセービング」に取り組んでいる繁田 龍之介選手です。
競技としてはまだまだ知られていないかもしれませんが、その魅力と奥深さ、そして社会貢献性の高さに、私もお話を伺いながらどんどん引き込まれていきました。
社会人から世界へ。異色のキャリアを歩むライフセーバー
ーーー女子サッカーの大宮玲央奈です!改めて、自己紹介をお願いします。
ライフセービングの繁田龍之介です。
現在は都内や神奈川を拠点に活動しています。仕事ではパーソナルトレーニング/ピラティスのブランドを展開している会社に所属し、トレーナー育成やサービス/組織開発を担当しています。日々、トレーナーの教育に携わりながら、自分自身もアスリートとして競技に取り組んでいます。
ライフセービングスポーツという競技をやっていて、今年8月のワールドゲームズに日本代表として出場することが決まりました!
ーーーすごいですね!仕事と競技の両立って、すごく大変じゃないですか?
そうですね、決して楽な選択肢ではありませんが、今の会社は理解も協力もあるので自分の練習と仕事が両立しやすい環境です。職業柄、学び実践したことが仕事と競技どちらにも活かせる点が多いこともあり、デュアル(両立)で歩むことのメリットを実感しながら過ごしています。
ーーーライフセービングスポーツって、どんな競技なんですか?
ライフセービング自体は、本来は監視活動や水難救助が主な役割です。夏の海で、黄色いシャツと赤い短パンを着た人たち、見たことある人も多いと思うんですが、あれがライフセーバーです。事故を未然に防ぐための存在なんです。
そして、その救助スキルやスピードを競技化したのがライフセービングの競技です。
ーーーなるほど!具体的にどういう種目があるんですか?
競技は3つのセクションに分かれています。
まず1つ目が「プール」。人形を引きながら泳ぐとか、障害物を潜り抜けて泳ぐような種目があります。
2つ目が「オーシャン」、つまり海での競技で、ボードやカヤックのようなクラフトを使ってレースをします。
そして3つ目が「ビーチ」。これは砂浜でスプリントしたり、ビーチフラッグスといった反射神経を競う種目です。全部合わせると種目は20近くもあるんです。
ーーーそんなにたくさん!?それだけ多様な種目があると、すごく奥深そうですね。
そうなんです。1人ですべての種目に出るわけではなく、選手たちは自分の得意分野を軸に、おおよそ5〜10種目に出場します。
海で行われるオーシャンマンという花形種目もあるんですが、それは泳いで、ボードに乗って、カヤックを漕いで、最後にランでゴールするっていう、ライフセーバーとしての総合力が問われる種目なんです。
現在の活動状況
ーーー現在の練習頻度はどれくらいなんですか?
シーズン中だと、泳ぐ練習が週に4〜5回あります。加えて、ウェイトや体幹トレーニングなどの陸上トレーニングを週2〜3回ほど取り入れていて、トータルでは週8回前後のトレーニングをしています。
ーーーえっ、週8回!?仕事もしているのにすごいです…!
そうですね。でも職場が練習拠点の一部にもなっていて、空き時間に自分のトレーニングをさせてもらえる環境があるのは本当にありがたいです。だから、仕事と競技が一体になっている感覚ですね。
ーーーそれは理想的な環境ですね。
目まぐるしく毎日が過ぎていきますが、好きなことに時間を使えているので充実感はすごくあります。
競技の先にある「人を助ける」という使命
ーーーライフセービングを始めたきっかけは?
大学卒業後、いったん水泳競技は引退して、社会人として働こうと思っていました。でも、たまたま大学の水泳部のOBから「ライフセービングをやってみないか?」と声をかけてもらったんです。その方は世界選手権のメダリストで、僕も知っていたので、驚きとともに興味を持ちました。
ーーー引退からの再挑戦だったんですね!
そうなんです。その時に「今まで自分のために泳いできたけど、誰かのために泳ぐってどう?」と聞かれて、心が動きました。社会人になって、自分のためだけじゃなくて誰かのためになることがしたいと思っていた時期だったので、すごくタイミングが合いました。
ーーーそれはまさに運命的な出会いですね。
ほんとにそう思います。ライフセービングは、「ゴールの先に救う命がある」という使命があります。だからこそ、やりがいも大きいですし、社会貢献にもなる。
これは他のスポーツにはない魅力だと思っています。
「泳ぐことしかできない」けど、世界に届く強さ
ーーー競技面でのご自身の強みについて教えてください。
僕はもともと水泳出身なので、泳ぐ種目には自信があります。特にプールセクションの6種目のうち2種目で日本記録を持っていて、自分の武器は“泳力”だと思っています。
ーーーそれはすごいですね!世界でも通用しているんですか?
世界選手権では2022年にプール種目(200m障害スイム)で4位、2024年にオーシャン種目(サーフレース)で11位に入ったことがあって、これは各々の種目の日本歴代最高順位でした。
海のサーフレースは波打ち際から走って海へ飛び込んで、ぐるっとコースを泳いで、また陸に上がって走ってゴールするレースなんですが、プールと同様に泳ぐ力が問われるんです。
ーーー泳ぐことに関しては、やっぱり絶対的な自信がある?
そうですね。泳ぐことしかできないって自分では言ってますけど(笑)、だからこそそこに磨きをかけています。世界の壁は高いですが、テクニックと効率の良さでは日本人らしい強さを出せると感じています。
フットワークの軽さとオープンマインド
ーーー競技以外での自分の強みってどんなところだと思いますか?
フットワークの軽さは自信あります。いろんな人や場所に興味があるし、行動範囲もめちゃくちゃ広いですね。合宿とかも車で移動するので、遠くても全然気になりません。
ーーーそれってライフセービングの競技特性とも関係しているんですか?
あると思います。
車移動が基本なことも大きいです。
僕は違うのですが、クラフトを使う種目だと自分のボードやカヤックを持ち運ぶ必要があるので、みんな車でな時間もかけて練習や大会に向かいます。
ーーー日常生活にも影響あります?
どうなんでしょう(笑)
普段からサウナ行ったり、仲間とご飯に行ったりしてリフレッシュするようにしていますが、完全オフの日は月に1回くらい。それ以外は練習か仕事か…って感じですね。
でも、今のスタンスは僕にとって心地よく感じてます。
競技、仕事、社会貢献…すべてを全力で
ーーー今後の目標を教えてください。
まずは今年のワールドゲームズでメダルを獲ること、そして2026年の世界選手権で再び代表入りして、今度こそメダルを獲ることです。
それから、若手の育成や競技の普及活動にも力を入れていきたいです。
ーーーすでに取り組んでいることもあるんですか?
スイミングスクールでAEDの使い方や心肺蘇生法のレクチャーをしたり、大学や高校での部活動支援、企業向けの講演なども少しずつ始めています。
自分の経験が誰かの役に立つなら、どんどん発信していきたいです。
ーーーデュアルキャリアについても意識されていますか?
めちゃくちゃ意識してます。プロじゃないからこそできること、得られる視点があると思っています。だから学生のキャリア支援にも関わりたいし、実際に後輩から相談を受けることもあります。競技と仕事、どっちも本気でやるっていう生き方を伝えていきたいですね。
ーーープロではないということをポジティブに捉えて、仕事と競技の両立をしている姿勢が素晴らしいですよね。競技をしている以上は、ワールドゲームズでのメダル獲得が大きな目標になると思、応援しています!本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
あとがき
命を守るための競技という点で、まさに唯一無二の存在であるライフセービング。水辺での安全を支えるために、自分の競技力を社会に還元する繁田選手の姿勢には、私自身も深く感動しました。
競技の普及から若手の育成まで、幅広い活動に挑戦する彼のこれからの活躍を、心から応援しています!
ライフセービング・繁田 龍之介選手を一緒に応援しよう!
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