【アスリートインタビュー】自転車競技の鈴木来人さんの魅力に迫る!
こんにちは!階段を駆け上がるお坊さん、階段坊主こと矢島昭輝です。
今回のアスリートインタビューは本日は鈴木来人さんです。
自己紹介
ーーーまずは自己紹介をお願いします。
現在長野県にて働きながら自転車競技をしている鈴木来人です。
子どもの頃から自転車に触れる生活をしていて、今はオリンピック出場を目指す生活を送っています。
ーーー本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします!!
自転車競技とは?(シクロクロス、MTB、XC、ロードレース)
―――自転車競技に取り組んでいるということですが、シクロクロス、MTB、XC、ロードレースなど想像以上に色々なことをされているんですね。
各競技について説明をして頂けますか。
シクロクロスは激しい坂や林間、砂場などを走る競技になります。
坂や泥の中を自転車を担いで走ったりするのでとてもハードな競技です。MTBやXCはジャンプを始め様々なテクニックを必要として周回コースを競い合う競技です。
シクロクロスやMTB、XCは、1時間から1時間半の競技時間のためパワーと体力、テクニック全てが必要とされる高負荷の競技となります。
ーーーオフロードがシクロクロスやMTB、XCですね。
そうです。反対にロードレースは一般公道で行われる競技ですね。
大集団で一日に300km近い距離を走るレースもあり、漫画やアニメで大人気となった「弱虫ペダル」のおかげで一般に認知されているのはこのロードレースかなと思います。
―――メインとしている競技はどれになりますか?
メインはシクロクロスとMTBとなります。この2つで世界の舞台で戦いたいと思っています。まだまだ世間で認知されている競技ではありませんが、坂や泥など変化に富んだコースをどうやって選手が攻略していくのかを見るのはとても刺激的でして是非多くの方に興味をもってほしいです。
―――シクロクロスやMTBは自転車や身体中が泥んこになる競技ですよね。たまに知り合いのSNSで見ます。見ていてとてもハードな競技だなと思っていました。
見た目以上にハードですし、なによりレースが終わった後の機材の掃除が大変です(笑)
―――確かに掃除が大変そうですね(笑) ロードレースはその点あまり汚れないのでいいですね。
仰る通りです。
ただ、どちらも整備や調整は必要なので機材のメンテナンスには常に気を張っています。
―――各競技のシーズンは何月頃でしょうか。
シクロクロスは11月から2月の寒い時期がシーズンになり、寒い時期以外がMTBやロードのシーズンとなりますね。
寒い時期に泥まみれになるのは結構きついんですが、わりと楽しかったりします。
―――大人の運動会みたいで泥まみれになって心躍る気持ちはとてもよく分かります。
自転車競技の魅力
―――自転車競技の魅力はどういった所にあるでしょうか。
自分の最高のパフォーマンスでコースを駆け抜ける疾走感や充実感がこの競技の魅力かなと思います。
ーーー気持ちよく走るためにはテクニックと心肺機能が必要ですね。
そうですね、瞬発力や心肺機能といった体力だけがあってもダメ、逆にテクニックだけあっても基礎がなければダメ。
両方がなければコースを攻略出来ないので練習のしがいがあります。
ーーーシクロクロスは自転車も担いで走ってもいいというお話を耳にしました。
そうなんです。シクロクロスは自転車を担いで走ることもOKなため、同じ坂でも選手によって攻略の仕方は本当に様々です。軽いギアで駆け上がるも良し、登れないなと判断したらすぐに降りて担いでもいいんです。
自転車の降り方、担ぎ方、乗り方、どの一つをとってもトップ選手は一切無駄がない事が分かります。
コンマ1秒を削るテクニックをどこまで身に染み込ませられるか。そういったことがこの自転車競技の魅力かなと思います。
競技との出会い
―――鈴木選手はいつ頃から自転車競技に始めたんでしょうか?
家族の影響で小さな頃から競技用自転車に乗ってはいました。ただ、そこまで力を入れていたわけではなく、大会にも出たり出なかったり、高校生までは趣味程度に自転車と付き合っていました。
ーーーいつ頃から本格的に競技に取り組んだんでしょうか?
高校生の時ですね。ふとシクロクロスの大会に興味本位で出場したところ、どハマりました笑
順当に成績も上がっていって、高校2年生では全日本選手権3位になって世界選手権でデンマークに行ける機会を得たんです。
―――すごいですね!つまり競技を始めて2年間で同世代トップ3になったというですか?
そういうことですね。しかし、当時の自分としては「技術的にも自分はまだまだ、、」という想いがあり、こう言ってはなんですが、全日本選手権3位というのも正直「え、僕なんかが3位?」という想いでした。今思えば非常に勿体ない話ですが、初の世界選手権にも「せっかく行けるんだから行こう。」という少し軽い気持ちで出場をしたんです。
―――世界選手権の結果はどうだったんでしょう。
70人中65位と結果は惨敗に惨敗でした。
ーーーわお、世界トップ層から洗礼を受けたわけですね。
そういうことです。しかし、これが私にとって競技の転機でした。
世界トップ選手の体力や技術、絶対に勝つぞという気迫や想いに「ここまでレベルが違うのか」と悔しさよりもむしろ感動がありました。
今までは「好きだから競技をしている。練習をしている。」という状態でしたが、それでは日本のトップ止まり。
世界のトップ層を見て、私も同じレベルで戦いたいと想いを一新したんです。
帰国後は今まで以上に上を目指す練習にシフトチェンジをして、今では専属コーチを付けて日々練習に打ち込んでいます。
競技に掛ける想い
―――では、競技に掛ける想いとしては「世界のトップ層といい戦いをしたい。」というのが根本にあるわけですね。
そうですね。世界でももっと活躍をしていきたいと思っています。
日本のレベルはまだまだ世界の基準に追いついていないのが現状です。
ヨーロッパが強豪国になるんですが、将来的にはヨーロッパのプロチームに自分の存在を認めてもらい、そことプロ契約を獲得していきたいと考えています。
―――海外とのプロ契約、生半可な覚悟ではありませんね。
覚悟がある分練習にはとても身が入ります。
しかし、挫折寸前まで気持ちが落ちたこともありました。
練習はきついし、何度もやめたいと思ったこともありました。
どんな練習が正しいかが分からない。成績が伸びない。コーチの合う、合わない。その他にも例を挙げればキリがありません。
でも、海外で感じたあの感動が今でも忘れられないんです。世界のトップ達が自分の全てを掛けて戦ったあの舞台が。自分がこれから戦う舞台は高校生の時よりワンランク、ツーランク上の戦いとなります。どんな苦境に陥っても諦めずに喰らいついていく想いです。
―――鈴木選手が世界で活躍すれば更に競技人口も増えそうですね。
そうだと嬉しいです。
今後の目標
―――現時点での目標は何かあるでしょうか
まずは全日本選手U23にて優勝、そしてW杯全戦出場やロスアンゼルスオリンピック(MTB)に出場というステップを踏んでいきたいです。
―――夢が大きいですね!何か課題はあるでしょうか?
自分のスキルを今以上に磨くことは当然として、経験値と環境がまだまだだと思っています。
レース自体は日本全国で開催されているのですが、長野の山奥に住んでいる私にとって遠征費がとてもシビアな問題としてあがるのと海外勢に勝てる練習環境が現状難しいという事です。
ーーー今は何か企業からサポートを受けているのでしょうか。
はい。ただ、競技や生活の全てを賄うことは出来ず、バイトをすることで何とか競技を続けています。バイトをする時間を練習に充てられれば更に成績があがることは間違いないと思いますし、海外レースにも今以上に挑戦していきたいと思っています。
―――まずは全日本選手権U23での優勝からですね。応援しています。
将来の人生像
―――競技を引退した後も沢山やりたいことがあるでしょうか。
子どもたちに「自転車ってこんな楽しいんだ」と感じてもらえるような事業や、種目や競技を越えてメンタルケアをしていく活動も同時に行っていけたらと思っています。
私自身、成績が伸びない、練習方法が分からない、仲間と馬が合わない、といった理由で競技から離れたい時期があり、メンタルというのはここまで競技に影響を与えるのかと思わされました。
ーーー大変な時期があったんですね。
はい。そのため同じような悩みで困っている人を助けていき、1人でも多くの人の心に寄り添っていけたらと思います。
ーーー競技普及の構想は何かあるでしょうか。
ありがたいことに家が山の中にあるため、自然を活かしたMTB講習プログラムなどは打ち出しやすいです。今後様々な企画をしていき、自分が子どもの頃に感じた競技への感動を感じる場にしてもらえたらという想いです。
―――山の中をマウンテンバイクで走るのはとても楽しそうですね。一度体験してみたいです。
とても楽しいですので是非!
競技としてやるかは別として、子どもたちにも是非一回は体験してみてほしいですね。
シクロクロスは若干ハードルが上がりますが、ロードバイクで少し遠くまで行ってみる、山の中をマウンテンバイクで駆け抜けてみる、というのは楽しいものです。
バイクは生涯スポーツの一つとして長い間楽しめるものです。近場で体験できるところがあれば是非一度親子一緒に体験してみるのも想い出になるかと思います。
―――バイクを楽しんでもらいたいという気持ちがとても伝わってきました。
競技をやるにはやはり楽しむことが大事だと思います。
競技をする上で、体力や技術が大切なのはもちろんですが、メンタルという面も非常に大事な側面だと感じています。メンタルが落ちる時はだいたい競技が嫌になるからです。
―――とても熱い気持ちをありがとうございます。
あとがき
明るく元気な鈴木選手には不思議と人を惹きつける魅力を感じました。
自身の競技力に磨きを掛けていく強さだけではなく、誰かのためにメンタルケアもしていきたい言葉にはとても熱い想いを感じ、人間的な芯の強さが見えました。
また、自転車競技で必要な心肺力と足腰の筋力はステアクライミングでも必要な筋力と似ているため競技シナジーも感じ、鈴木選手にはいつかステアクライミングのレースに一度出場してほしいなと感じた次第です。
海外進出までも視野に入れている鈴木来人選手、今後の活躍を応援します!
鈴木来人選手を一緒に応援しよう!
鈴木来人選手を応援・支援してくださるスポンサー様、サポーター、ファンの皆様を募集しております。
詳しくはアスリートとスポンサーを繋ぐFind-FCをご覧ください。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。