
クロスカントリースキーで世界一を目指す!石川謙太郎さんに直撃!
今回はクロスカントリースキーで日本史上初世界一を目指す石川謙太郎さんに取材を行いました。
クロスカントリースキーと一言聞いて想像するのは、クロスカントリー=長距離?とスキーがミックスしたものというイメージが大きいかと思います。
スキー自体も、長距離自体もかなりハードな種目になりますがその種目で世界一を目指すために活動している石川さんはどのような方なのでしょうか?
自己紹介
ーー石川さん今日はよろしくお願いします。
石川さん:よろしくお願いします!
ーー早速ですが、自己紹介からお願いします。
石川さん:僕がスキーを始めたのは3歳の時です。
ーー3歳からですか???あまりにも早い年齢で始められたことに驚きました。何かきっかけはあったのでしょうか?
石川さん:地元が北海道で雪と関わる機会も多く、父がもともとスキー選手及び指導者だったことが一番大きかったですね。始めたときのことはほとんど覚えていないです。競技スキー自体は6歳の頃から始めました。
ーーなるほど…。でも現在も競技を続けているということは何か続けたいと思うきっかけなどがあったからでは??
石川さん:そうですね。小学校に入学するまでは大会がなかったので、ひたすら練習しかしていなかったのですが、年長になった時に初めて出場した大会で入賞した時に貰った賞がとても嬉しくて。それがスキーを始めて一番古い記憶でもありますね。
ーーそんな素敵なエピソードがあったんですね!お父さんが競技者だったとおっしゃっていたのですが、幼い頃からよく一緒に練習しに行ったりしていますか?
石川さん:父は高校の大会で出て行くことも多かったので冬場はほとんど家にいませんでした。なので、母と練習に行くことが多かったですね。
クロスカントリースキーとは?
ーー「クロスカントリースキー」と聞くとなんとなくはイメージがつくのですが、実際にどういうものなのかを詳しく教えていただけますか?
石川さん:クロスカントリースキーの起源は北欧で移動手段として使っていたことがきっかけです。わかりやすく説明すると「歩くスキー」です。歩くスキーというのは、トライヤルランニングでスキーを履いて走るというイメージです。
ーー聞いただけでもかなりハードなイメージができるのですが、スキー板って登りやすいように短くなっていたりなど工夫されているんですか?
石川さん:むしろスキー板は普通の長さのものより長いですよ!笑 自衛隊の方が遭難者を助けるために履いているスキー板がわかる方はイメージがつきやすいかと思います。正確にいうとスキーの太さや長さはアルペンスキーと同じく太く、短い板になります。
ーーそうなんですね!!!聞いただけでは想像できませんでしたが、実際に見て見ると…本当ですね!大きさが普通のスキーと違うことがわかりますね!スキーって上から下に降りるだけのイメージなので、正直あの板で山道を上がるイメージが全くつかないです…。コースによってもきつさが変わってきそうだなと感じるのですがその辺りはいかがでしょうか?
石川さん:確かにそうですね。登りはかなりハードなものになります。距離はスプリント競技(1キロ〜1.8キロ)とディスタンス競技(5キロ〜50キロ)に別れています。
ーーなぜそのような曖昧な距離で別れているんですか?
石川さん:クロスカントリースキー自体、山の中で行う(自然の中での競技)のでどうしても陸上みたいに距離を正確に決めにくいんですよね。だからこのように大まかな距離で別れています。
現在の活動
ーー現在の活動内容を教えてください。
石川さん:現在は三重県の体育協会に所属していてアスリート且つスポーツ指導員として活動しています。
ーーそれは聞いたことない形ですね!!!三重県の体育協会に所属されているということは、そこに就職をされているという形でしょうか?
石川さん:そんな感じですね!就職とも言えますし、県とプロ契約を結んでいるような形です。2021年の冬季オリンピックに向けて人材育成+自身が結果を出すことが求められています。
ーー県とプロ契約なんと凄いですね!そういった発想は今までありませんでした…。これからマイナースポーツの新しい道になるかもしれませんね!
辛かった経験
ーーFind-FCの記事でも書かれていましたが、メンタル面での葛藤が自分の中であったと思います。そのことについて詳しく教えて頂けますか?
石川さん:僕の成績自体はパッと見て貰ったらわかるように、世界大会でも成績を残していたこともありかなり自身がありました。高校生の時に初めて第一回冬季ユースオリンピックができたんです。その時の大会で銀メダルを取ったんですよね。その後から「自分が世界でメダルをとった」ということがすごいことだと気がついてしまって、それと同時に向上心が一時期薄れてしまいました。
ーーなるほど…。確かに自分の中でイメージしている成績をとってしまうと目標達成できてしまってモチベーションの持続が難しいですよね。
石川さん:そこから大学に進んだ時に日本のインカレで30位くらいまで落ちてしまって、ハッとなりましたね。その時期には、今まで制限していた食事を制限しなくなって太ってしまったり、練習もかなり怠慢になってしまってしまいました。そこからメンタル面から体重制限から全てを見直して、次の世界選手権の時に6位入賞を果たすことができました。
ーー一度落ち込んでしまった後もそうやって立て直せるのは流石ですね!素質がある証拠ですよ!
石川さん:それが、また同じことを繰り返してしまうんです。成績が下降しているときに思い出したのは、高校生の時から海外に行って能力を高めたいということでした。
ーー海外と日本はレベルが違うんですか?
石川さん:そうですね。正直入賞することもかなり珍しく、日本のレベルはまだまだ世界レベルに上がれていません。高校生の時は自信も勇気も人脈も、そして英語力もなかったので出て行くことができませんでした。しかし世界の舞台で戦って感じたのは、これ以上日本で練習しても成績を残せる可能性が極めて低いということでした。環境的にももちろんのこと、指導者も不足していることもあります。そこで高校生の時から描いていた「ノルウェーで本場のクロスカントリースキー選手、コーチと一緒に練習に励みたいと思い、留学に向けて大学で英語を猛勉強しました。さらに、大学で行われる留学生との交流会やアフターパーティなどに行きまくってクロスカントリースキーの本場であるノルウェーの友達をたくさん作りました。
ーー日本国内では壁にぶち当たった感覚があったんですね。海外へはいつ頃行かれたのですか?
石川さん:四年生の夏休みから行きました。過去にクロスカントリースキーをしている方で海外に学びにいったことがある人の話を聞いたことがなかったので、新しい選択だったと思います。
ーーしかし、現在三重県での活動が主だと思うのですが、現在海外にも行かれているということでしょうか?
石川さん:そうですね。僕の能力をあげること自体が三重県に貢献できることなので、そこは理解していただいていてかなり助かっています。
クロスカントリースキーの魅力
ーー次にクロスカントリースキーの魅力を教えてください。
石川さん:1番の魅力は大自然の中で競技をすることだと思います。普段のスキー場でのスキーとは違い、自然の中の道をかき分けて進んで行く形なので勝負の中にも自然との戦いが必ず含まれます。
ーー自然との戦いですか!それは毎回気候が変わるとコンディションも変わりますもんね…
石川さん:そうなんです!その影響がかなり大きいことがわかるのが、世界ランクが結構ひっくり返ることが多いんですよね。他の競技だとある程度順当なイメージがありますが、0.1秒を争う競技ということもあり世界ランク一位の人が30位になるなど、そういったことはよく起こりうる競技になっています。
ーー0.1秒を競う競技ってどういうことですか?
石川さん:試合を見ていただいたらわかると思うのですが、金メダリストと銀メダリストのタイムの差が0.1秒というケースも少なくないんです。なぜかというと、雪の中で誰かと差を開けて走るのはかなり難しいことなんですよね。最後の1キロあたりで30人くらいが一気にスピードを飛ばしてその1キロの中で勝負が決まることも多々です。
ーーそれは見てる人からしたら、最後まで順位がわからなくて魅力的ですね!!!
石川さん:そうですね。あとはワックスをつけるかつけないかでも滑りやすさが変わることもあります。ぶっちゃけギャンブルみたいなものなんですけど、その日の気候によってつける方が滑りやすいのかそうじゃないのかも決まるくらい一か八かなところもありますね。選手だけではなく、天候、コンディションとの戦いがあることも魅力だと思っています。
今後の主な活動予定と目標
ーー今後の主な活動予定と目標を教えてください
石川さん:直近の目標は代表復帰をすることです。長期的に考えるのであれば冬季北京オリンピック2022年を目指すことです!
ーー今日の取材はこれで終了となります。ありがとうございました。
石川さん:ありがとうございました。
アスリートライターが感じた石川さんの魅力
石川さんの取材をして感じたのが、「粘り強さ」です。
競技的にもそうなのですが、長距離の道のりを上ったり降りたりしながら行われる競技の中でこれだけの結果を残し続けられるのは彼の本質的な部分が見えているよいうにも感じます。
また経験が多い分、情報をどのように取り入れてどう活用していくかを計画的に考えられており、今後アスリートの新たな道のモデルにもなりうる生き方だと感じました。
私自身もアスリートながら、尊敬する部分そして高め合っていきたいという気持ちも高まり非常にいい仲間として戦っていけると感じています。
彼のこれからの活躍に期待が高まります!
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