こんにちは。車いすフェンシング日本代表、アスリートモデルの河合紫乃です。
本日のアスリートインタビューは、デフリンピックマラソン日本代表の中野洸介選手。
耳の聞こえない人にしか分からない世界。日本人初のデフリンピックで金メダルを目指して。
そう語る中野洸介選手について深堀をしてみようと思う。
中野洸介 選手プロフィール
1996年11月17日生まれ。26歳。埼玉県出身。
埼玉県さいたま市出身
身長170cm 体重55㎏ 血液型A型
デフリンピック マラソン日本代表
フルマラソンベストタイム➡2時間28分17秒
耳が聞こえない「先天性感音難聴」という障害で生まれる。
好きなアスリートは服部勇馬、川内優輝
趣味はパン巡りラン、ドライブ、子育て、料理、掃除。
障害について
―――障害について教えてください
私は生まれつき両耳が聞こえない「先天性感音難聴」という聴覚障害を持っています。
これは、1000人に1人の確率で発症する病気と言われています。
また聴覚障害には大きく分けて2つあり、伝音性と感音性です。
伝音性は耳栓をしたような聞こえ方に似ており、比較的障害は軽いですが、感音性の場合はざっと言うと、知らない外国語を聞くのと同じに等しいです。私は後者の感音性難聴に当該します。
―――障害で困ることはありますか?
電話、コミュニケーション、車のクラクション、娘の泣き声が分からないことです。
逆にメリットは遠いところでも手話でコミュニケーションが取ることができることです。
マラソンとの出会い
―――マラソンを始めたきっかけを教えてください
高校1年生の校内でのマラソンで2位になったことがきっかけで走ることの楽しさを知り、
陸上部の顧問にスカウトされ、それが陸上競技との出会いです。
翌年の高校2年生から陸上競技を本格的にはじめ、中距離(800m、1500m)専門として励んできました。
鉄欠乏貧血を抱えながら苦しかった期間を後悔し、社会人でも続けることを決意。
そして、高校卒業間近に顧問の先生に「もっと長い距離、フルマラソンにチャレンジしてみたらどうだ?」
の言葉がきっかけでフルマラソンに転向。そしていまも没頭しています。
デフリンピックとは
4年に1度、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会であり、
国際ろう者スポーツ委員会(ICSD、CISS)が主催する障がい者スポーツにおける最初の国際大会。
夏季大会と冬季大会があり、世界から耳の聞こえないトップアスリートたちが集う国際スポーツ大会であり、それ以外はオリンピックとパラリンピックと全く変わらない。夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年オーストラリアにおいて始まった。
今後の目標について
―――今後の中野選手の目標を教えてください
①デフリンピック日本人初の優勝
世界記録は2時間11分。デフリンピック優勝タイムは最近2時間20-25分程。
自身のタイムをあと8分縮めることが優勝に繋がると思います。
デフリンピックマラソンの知名度の向上も目指しています。
②東京マラソンエリート枠で出場
目標は『エリート枠での出走』
エリート枠で出場するためには、公式フルマラソンで2時間21分以内を出すことによって出走が可能になります。
③ケニアで事業の進出
- 厳しい環境に身を置く
- ろう者の支援活動
- SDGSの取り組み
この取り組みを決意したきっかけは、昨年の世界デフリンピック陸上競技選手権大会がきっかけです。ケニア人コーチと仲良くなったのですが、ろう者として国境にすごく壁を感じました。だからケニアろう者に日本の良さを伝えていきたい、社会的貢献、国境を越えての友好といったトータル的に支援活動をしていきたいと思っています。
自分の強み
―――自分の強み思いますはどこだと思いますか?
集中力と忍耐力です。
長距離走り続けるマラソン、かつ耳の聞こえない人にしかわからない「集中力」
普通は声援など聞くと力が漲ると思うのですが、それすら私は聞こえない。
全く何も聞こえないのでプレッシャーにならないですし、淡々と自分のペースで最後まで走りぬくことが唯一の強みだと思っています。
障害を強みに変えていく
今回インタビューに答えて下さった中野洸介選手。
同じ障害者アスリートとして共通する部分もあり、障害を『弱み』ではなく『強み』に変えていく力が中野選手にはある。
中野選手とは1度対面させていただき、文字で会話させてもらった。アスリートとして意識が高い選手であり、熱意をすごく感じることができた。5月から始まるブラジルで行われる夏季デフリンピックでの活躍に期待したい。
中野洸介選手を応援しよう!
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